『ランウェイで笑って』178着目：ゆっくり、全部
それではさっそく、2021年3月10日発売の週刊少年マガジン15号に掲載された『ランウェイで笑って』の178着目『ゆっくり、全部』の感想や考察を語りたいと思います。
お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。
前回の感想・考察はこちらから
178着目『ゆっくり、全部』感想
まずは178着目『ゆっくり、全部』の物語に触れつつ、感想を語ります。
ミルネージュがなくなっても……
研二は千雪に聞いた。
「千雪はミルネージュがなくなっても”パリ”に行きたいか？」
その質問に、千雪は上手に答えることができない。
そんな千雪の様子を見て、研二は心の中で思っていた。
『千雪は”ミルネージュ”がなくてもパリを夢見たはずなんだ』
その思いを胸に抱えながら、千雪が「BEYOND」に所属するメリットを説明していく。
４大コレクションの優先配役枠、展示会・社交会・文化祭展への招待、各モード雑誌の掲載枠、一流ブランドとのコネクション、一流メイク・カメラマン・美容師との専属契約
モデルとしてのチャンスとサポートが格段に増える。
千雪のことも受け入れてくれる。
だから研二はもう一度口にした。
「…ミルネージュを畳む」
自分が千雪から自由を奪っている。
”ミルネージュ”は千雪にとって邪魔だ。
そんな思いを胸に抱えながら。
そんな研二の胸中を知ってかしらずか、千雪は硬い笑顔で「そ…そうだよね…」ということしかできなかった。
研二はミルネージュを畳むという報告をしにきただけだと言って立ち上がった。
だが、本当はそれ以外にも用事はあったらしい。
「それと別件なんだが、「EGAO」からコレクション出演オファーがある。受けるか？」
そのことを聞いた千雪は自分で直接返事をすると言った。
そして研二を見送った後、普段通りに出来てたはずと呟く千雪。
「わたしは平気だ…！！」
胸を押さえながらそれを確認した千雪は、育人に返事をすることを決め、いつも通りならできると決めるのだった。
なんとなくですが、お互いに自分の本心を隠しているが故に話が捻れてしまっているような気がします。
もちろん研二の考えていることや『BEYOND』の条件は千雪にとってメリットばかりですが、千雪にとってはメリットよりも”ミルネージュ”の存在の方が大切であるようなので、そのことを言葉にできれば！と思いました。
オファーくれたんだよね？
研二を見送った千雪は、さっそく育人のところへ向かった。
「オファーくれたんだよね？」
千雪の質問に「はい」と真っ直ぐに返事をする育人。
そんな育人に、千雪は言葉を詰まらせながら断りを入れていく。
「最近…忙しくて
一個一個の仕事ベスト尽くすってなると、これ以上増やすのもどうかなって。
ほら！映画の撮影とかも入ってさ！
スケジュールがっつりキープされてるし
その…なんだろ…だからさ」
そんな千雪に育人は優しく話しかけた。
「大丈夫ですから、ゆっくり全部話してください」
この言葉でようやく千雪は自分の心の声を吐き出すことができた。
平気だと思っていたこと。
少し気持ちが沈むくらいだと思っていたこと。
でも仕事に行ったら身体が上手く動かないこと。
いつもどうしてたかを思い出そうとしても思い出せないこと。
こんなことは初めてだということ。
「こんなに…ミルネージュがなくなるのが辛いと思わなかった…！！」
今の何もできない状況で育人のショーには出れない。
そんな千雪に、育人は自分の夢を話す。
自分の夢は着てくれた人が笑顔になるような服を作れるようになることだと。
そして
「千雪さんが笑顔になれる服、俺に作らせてくれませんか？」
その言葉を聞いた千雪は、涙を流しながらも、育人の方を真っ直ぐ見つめた。
自分にできることには限界がある。
それでも支えること方法はある。
育人の千雪へのオファーは、その方法の一つなのかなと思います。
信じてる
移動する車に乗りながら研二は考えていた。
育人からオファーが来ている事を聞いた時、一瞬だが千雪の表情が明るくなったと。
だから年下でありながら、すぐそばで寄り添える育人を信じた。
育人だから、千雪がこうだったから。
親だからわかること、娘と近い環境にいた人物だからできる信頼。
研二の色々な葛藤が垣間見えました。
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178着目：ゆっくり、全部の考察
物語に触れ、感想を紹介した次は、178着目：ゆっくり全部の考察をしていきます。
結論が変わらなくても
人生の中では一瞬だけれども、研二と千雪は離れかけて元に戻ってを繰り返した。
そしてミルネージュがなくなってしまうと、その関係性が単なる父と娘という関係になってしまう。
そんな関係になってしまうと、二人の関係が悪化してしまいそうで心配になります。
もっとも間接的ではありますが、育人という緩衝材になり得る存在がいます。
彼が決まってしまった結論・結果を変える存在にはなれなくても、千雪のなかにあるミルネージュへの思いを力に変えられる存在になれるのではないでしょうか？
ミルネージュはどうなるの？
ミルネージュがなくなるというのは、もう既定路線であることは変わらないと思います。
ですが、なくなるというのが永久的になのか一時的になのかで変わってくると思います。
例えば今は自分たち（育人や千雪）に力がないからミルネージュがなくなってしまった。
しかし二人が大きく成長して力をつけた時、千雪が独立して育人とともに新モデル事務所としてミルネージュを復興させるという物語がこの先にあったらいいなぁ。
……なんだかもうこれ、考察というよりも妄想だな。
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まとめ
今回は2021年3月10日発売の週刊少年マガジン15号に掲載された『ランウェイで笑って』の第178着目『ゆっくり、全部』の感想や考察を語りました。
みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか？
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。
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