『ランウェイで笑って』177着目:強がり
それではさっそく、2021年3月3日発売の週刊少年マガジン14号に掲載された『ランウェイで笑って』の177着目『強がり』の感想や考察を語りたいと思います。
お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。
前回の感想・考察はこちらから
177着目『強がり』感想
まずは177着目『強がり』の物語に触れつつ、感想を語ります。
大切な人だから
「…命はもう賭けてる
…後は千雪のためになるかどうかだ」
育人にそう言って立ち去ろうとする研二。
その研二に、育人が話だす。
「お父さんが元気なのが…
千雪さんのためなんじゃないですか…?」
その言葉を聞いても、研二は立ち止まらない。
「藤戸さん!!」
研二の背中に育人が強く話しかけると、今度こそ研二が立ち止まった。
研二は育人にあることを言い、そして千雪に聞いてくれるかと頼んだ。
「任せるよ」
研二の言葉を聞いた育人は、手を握りしめ、研二に今日は絶対に休むように言った。
盗み聞きする形になったとはいえ、研二の覚悟を知り、千雪の現状も知ってしまった。
ある意味で他人だから言えることでもあり、他人ではないからいうことができた。
その結果、千雪と話すきっかけができたとはいえ、育人の心境は穏やかなものではないでしょう。
会えない……会えた……
さっそく千幸に会うために、飛び出した千雪が行きそうなところとして、彼女の部屋を尋ねる。
しかし彼女は部屋におらず、育人は肩を落としつつ、他に行きそうな場所を考えながら、一度部屋に戻ることにした。
そうして部屋に戻ると、部屋の前にはなんと千雪がいた。
「あ、帰ってきた。
どこほっつき歩いてたの?」
「大丈夫ですか!?」
いつも通りに振る舞う千雪に、千雪を心配する育人。
千雪は事務所の部屋の前に育人がいることに気がつかないまま飛び出したらしく、育人がお父さんという言葉を出すと、一瞬困惑した。
育人に会いにきたはずの千雪は、育人に何も話すことなく帰ろうとする。
育人は千雪を引き留めようとするが、千雪は大丈夫だという。
「こういう話をしに来たんじゃないの」と。
そして育人に笑顔で言った。
「本当に大丈夫だから」
育人はそんな彼女を引き止めることができず、千雪はそのまま部屋に帰っていった。
千雪は育人には知られたくないと思っていた。
だから育人が知っていることを知った千雪は、立ち去ることしかできなかった。
心を落ち着けるために。
普段とは違う千雪
日が変わり、千雪はモデルの撮影に参加していた。
カメラマンからポージングのバリエーションを増やせるか聞かれるが、千雪は上手く返せなかった。
調子が悪いのかと聞かれてしまうが、千雪は謝ることしかできなかった。
さらに翌日、千雪は昨日みたいな失敗はしないと誓って仕事をする。
しかし、千雪は仕事に集中することができずに、体幹がぶれてしまう始末だった。
そんな千雪を他のモデルたちが訝しげに見た。
千雪は結局本調子を取り戻せないまま仕事を終えることになった。
そんな千雪に元には、育人から『千雪さん、話せませんか』というメッセージが届いていたが、返事はできなかった。
次の仕事場でも、スポンサーアイテムを見切れさせてしまうというミスを犯した。
その日も、育人から『千雪さん良かったら、ご飯行きませんか?』というメッセージが来ていた。
さらに続く仕事でも千雪は本調子が出せなかった。
北谷の撮影でもうまくいかず、撮影が中止になってしまった。
こうして失敗しながら続く日々に、調子悪いのは仕方ない、明日も同じミスしないようにしようと千雪は自分を言い聞かせる。
「大丈夫!わたしは大丈夫」と。
そんな折、育人から「千雪さん、お散歩しませんか?」というメッセージが届いた。
そのメッセージを見た千雪は、そろそろ会わないと、いつも通りの私じゃないよねと呟く。
そんな千雪の脳裏に浮かぶのは、育人との楽しい笑顔あふれる日々。
「…育人に会ったら…強がれないよ…っ」
ぽつりと呟いた瞬間、部屋のチャイムの音がした。
もう来たのかと驚きつつ玄関に向かう千雪。
しかし、そこにいたのは育人ではなかった。
心配事があるから本調子ではない。
自分の事務所が変われば、ミルネージュがなくなれば全てがなくなるかもしれない。
仮にミルネージュが残ったとしても、全てがなくなる可能性が高い。
そんな状況で育人のことを振り返ると、いつしか夢へ向かうという目的だけでなく楽しかったことも一緒に出てくる。
いつしか自分の夢が誰かを巻き込んでいる自覚があるから、不安が大きくなりやすいのかな?
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訪ねてきたのは……
部屋に来たのは、育人ではなく研二だった。
いきなり自分の父親が部屋を訪ねてきたことに驚きつつも、いつも通りと自分を言い聞かせて、研二を迎え入れる千雪。
話は何かと聞くと、研二が質問をしてきた。
「千雪がモデルになるきっかけはなんだったけか?」
「…え……っと、雫さんのショーを見たから…だけど」
続く質問は、パリコレを目指すきっかけもそれだったよな?と、まるで何かを確かめるような質問ばかり。
だが、最後の質問はそうではなかった。
それは育人に託そうとしていた質問だった。
「千雪はミルネージュがなくなっても”パリ”に行きたいか?」
ある意味で、たまごが先か鶏が先か見たいな感じ……
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177着目:強がりの考察
物語に触れ、感想を紹介した次は、177着目:強がりの考察をしていきます。
千雪にとって育人は?
千雪が育人に近づきつつも遠ざけた理由。
それが今後の展開に関係するのでは?と思っています。
最初は天敵というか、馬鹿な夢を見るクラスメイトくらいの感じだったのに、いつの間にか仲を深め、道は違えどパリを目指すようになった。
育人は自分の事務所を設立して、これからパリへ向かう準備をしている段階。
それに対して千雪は、パリへ行くどころか、その道すら危うい状況にある。
そのことが千雪が気を病む大きな理由ではないでしょうか?
時に良い相談相手となり、協力しあったりとしてきたから、育人の頑張りを変に邪魔したくない。
ずっと近くで見てきたから、育人が何をしようとするかわかる。
そんな展開があるのでは?と期待してしまいます。
研二の質問の意味は?
これは研二が最後に聞いた「千雪はミルネージュがなくなっても”パリ”に行きたいか?」というものに対する疑問です。
研二がミルネージュを設立し、そこに所属する雫のショーを見た千雪はモデルになり、そしてパリを目指すようになった。
これは現在では揺るがない事実ですが、研二がミルネージュを設立していなかったら?という仮定の話での質問なのではないかと思います。
俗にいう『卵が先か鶏が先か』みたいな話に近いと思います。
ミルネージュがなかった場合に、千雪がミルネージュ以外の事務所に所属している雫のショーをみたり、他のモデルのショーを見る機会があったかもしれない。
その場合にも、千雪は今と同じようにモデルになり、パリへ行くことを目標としていた可能性だってある。
今の千雪の夢は、実はミルネージュがなかったとしても、成立していたかもしれないという可能性があるんです。
……まぁ、これはあくまで表面上の言葉を単純に受け取った場合の私なりの考察ですが。
真意は?
研二の質問の真意は、千雪もパリコレに出るという目標は”千雪の夢”なのか”ミルネージュの夢”なのかを聞きたいのではないかと思います。
意味合い的にいえばどちらも千雪の夢となるのですが、それが本人の夢なのかそうではないのかが重要なのだと思います。
例えばミルネージュがあるからパリコレを目指すということが重要になっている場合、千雪にとってミルネージュは、パリコレに出るための必要条件となってしまいます。
逆説的にいえば、ミルネージュがなくなれば、国内でモデルや女優業をして過ごすことで夢が完結してしまう可能性が高いでしょう。
それに対し、ミルネージュはあくまで要素であり、パリコレに出ることが千雪自身の夢である場合は、ミルネージュの重要性は低くなります。
研二が聞きたいのは、自分の意思でパリコレを目指したのか、ミルネージュのためにパリコレに行きたいのかであると考えます。
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感想・考察記事
まとめ
今回は2021年3月3日発売の週刊少年マガジン14号に掲載された『ランウェイで笑って』の第177着目『強がり』の感想や考察を語りました。
みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか?
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。
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