『パラレルパラダイス』第8話『思うこと惑うこと』
それではさっそく、『パラレルパラダイス』第1巻収録の第8話『思うこと惑うこと』の感想や考察を語りたいと思います。
お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。
感想
陽太が男であるということが、本格的にクインテットに共有された今回。そのことが物語にどう影響するかが気になります。
考察
陽太が現れたことでクインテットに、人間の男が実在するということが共有された今回。それが物語に大きく影響した部分をピックアップして考えてみたいと思います。
最後の男
ルーミに呼ばれて集まったガーディアンの3人のうちのミサキが口にした「最後の漢は3千年前に死んだんだ‼︎」という言葉が気になります。
彼女は伝聞口調ではなく、断定形で言葉を口にしていることから、少なくともガーディアン達の中では一般的な事実として『男がこの世界に存在しない・3千年前に死んだ』ということになっているのは確かなようです。
となると気になるのは、3千年前に死んだという男の素性です。ここまでしっかりと断定されると、いつどこにいた誰がといった情報がどこかに残っているのでは?と疑いたくなります。
倫理的にあり得ない話ですが、動物であれば剥製にして残していてもおかしくない貴重な存在なわけです。
陽太が現れたというある種のイレギュラーによって、男が実在するということが証明されたこの世界ですが、いずれにせよ『最後の男』について、秘匿されすぎているような気がします。
人間の男は絶滅しているということ
顔を赤らめて「犬でも猫でもブタでもオスには付いてるだろ‼︎」というミサキの言葉から読み取れるのは、人間の男だけがピンポイントで絶滅しているということです。
人間以外の生物も同様にオスが絶滅しているのならば『この世界は陽太にとってのパラダイスとして造られた異世界だった』というとんでも暴論考察などと言って、全ての考察を放り投げることができたのですが、やはりそうはいかないようです。
動物は交尾をして繁殖をするのに対し、人間は女だけが城から運び出されてくる。
やはり城には人間が生まれる過程での秘密が存在すること、人間だけ女が存在するように調整されたかのような不気味さがあることは確かなようです。
カルの見た目と声
陽太の声がカルと呼ばられる生物と同じだということは今までも言及されてきましたが、容姿に関する言及は初めてな気がします。
モモが「声が同じってだけでこの子にあたるのは筋違いだわ」と言っています。
また同時に「どう見たってカルじゃないのに」とも言っていることから、どうやらカルという生物は、人間とは違う容姿をしているようです。
しかしながら、容姿が違っても声が同じだということは、実在する事実です。
ただそれが『男の声を聞いたことなかったから、似たような声質の陽太の声がカルと同じように聞こえる』という現象が起きていないとも言い切れないのがまた、カルと陽太の声が同じだという証言を難しくしています。
仮にカルの声が完全に陽太の声と同じであるとすれば、ある考察が浮かんできます。
それは
『陽太が簡単に交尾できないように、意図的に陽太と同じ声を出すカルという生物が生み出された』
ということです。
仮にコレが真実であった場合、この世界そのものが陽太が現れる可能性に対する対策がされていたことになります。
思えば『声が同じ』という証言はあっても、似ていると言及している人物が1人もいないので、真実味のある考察ではないでしょうか?
モモの思惑
モモは『三千年ぶりに現れた男を独占出来るなんて…こんなチャンス、もう数世紀はない…』と考えています。
もうニッコニコです。
今後、カルテット内で陽太を殺したい派閥と独占したいモモと囲い込む派閥でのプチ争いがありそうです。
交尾をさせようとする理由
陽太が街に出ると、そこにはジーニアスの姿が。ジーニアスは陽太に交尾はまだかと急かす。
陽太がそのことに疑問を呈すると、ジーニアスから衝撃的な言葉が返ってくる。
「この世界の女は、交尾をしないまま成人すると死んでしまうのだから」
この言葉から、私が以前に言及した『街に女の子と呼べるくらいの年齢しかいない』が真実だったことが確定しました。
そうなるの、この世界には女性が長生きすることに何か不都合な秘密があると考えられます。
ヤタガラス
劇中でジーニアスが3本足で描かれ、陽太が八咫烏(ヤタガラス)だと言及しました。
日本神話において、ヤタガラスは神武天皇を導いたとされていることから、導き手として認識されています。
劇中で陽太に接する姿は導き手であるように見えますが、色が白いという点が少々にになってきました。
カラスは黒色の個体が多く、またヤタガラスも一般的に黒色とされています。
また黒は神の使いである神聖な色ともされていますが、ジーニアスは白色です。
ヤタガラスの一般的な色と真逆の配色になっていることには必ず意味があると考えています。
白色は『純潔や完璧さ、正直さや清潔さ、また始まり』などの色とされています。
この中に当てはまりそうなものはあるかと聞かられば、正直なとのろは見当がつきません。
強いていえば、神の使いの逆配色という部分から『この世界の神の意思に背く者からの使い』でしょうか?
今後の展開として、神とそれに背く何者かの争いに陽太が巻き込まれていく展開があるのかもしれません。
まとめ
今回は第8話『思うこと惑うこと』の感想と考察をお届けしました。
第8話では、陽太をクインテットと対峙させることで、
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