『パラレルパラダイス』第169話『魔剣と負けん気』
それではさっそく、2021年10月18日発売の週刊ヤングマガジン47号に掲載された『パラレルパラダイス』の第169話『魔剣と負けん気』の感想や考察を語りたいと思います。
お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。
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第169話『魔剣と負けん気』感想
まずは第169話『魔剣と負けん気』の物語に触れつつ、感想を語ります。
封印された<嫉妬深い神>
陽太の要求にリーメアリーは「神殺しの剣の封印を解くと<嫉妬深い神>が目覚めてしまいます。<嫉妬深い神>が目覚めたら人が滅ぶと言われているのです」と言う。
「神殺しの剣を…断じて渡すわけにはいきません」
リーメアリーの言葉に、陽太とルーミは驚く。
だが陽太はルーミとは別の意味で驚いていた。
『<嫉妬深い神>が目覚める?仁科の記憶が戻るということか?封印された…<嫉妬深い神>としての記憶が…』
仁科が嫉妬深い神であり、その記憶が封印されていると考える陽太は、リーメアリーの言葉を聞いて考えた結果、ニヤリと笑った。
「そいつは重畳…願ってもない展開じゃないか。その神殺しの剣…おれが抜かせてもらう。おれはそのためにこの街へ来たんだ」
立ち上がり、リーメリーに言った陽太。
今度はリーメアリーが驚く番だった。
だが、彼女はすぐに元の調子で言った。
「…やれやれですわね。ガッカリです。剣を抜いて封印を解放したら人が滅ぶと言っているのに…それでも抜こうとするなんて…」
「心配するな。剣の封印を解いて<嫉妬深い神>が復活してもし人を滅ぼそうとしても、すぐにおれがその剣で殺せば済む話だ。そのための剣なんだろう?それで…この世界の人間は崩月の恐怖から解放されるんだ」
陽太の演説のような言葉を聞いたリーメアリーは「あなたになら殺せるというのですか?<嫉妬深い神>を」と陽太に問いかける。
陽太は一瞬だけ仁科の顔を見てしまい「それは…」と迷ってしまった。
そのタイミングでリーメアリーに客人であるハイランダーが来たことを部下が知らせに来て、彼女はすぐに行くようから客間に通しておくように言った。
そして再び陽太に<嫉妬深い神>と殺せるのかと聞いた。
答えづらい陽太の様子を見て最初に動いたのは仁科だった。
「私がいると答えづらいでしょ?席をはずしてるね」
いきなり部屋を仁科が出て行ったのを見たリーメアリーは「彼女は何者ですか?」と陽太に問う。
流石に嫉妬深い神が仁科であると言うことができない陽太は「おれの飼い主みたいなもんだな」と誤魔化す。
その言葉を聞いたリーメアリーは「はぁ?」と本気の疑問を口にする。
そんな彼女に、陽太は宣言するかのように言った。
「おれがこの世界で道を間違えそうになったとき、踏みとどまらせてくれる存在だ」
続けて陽太は心の中で『でも…』と付け加えてから続けた。
「<嫉妬深い神>はおれが殺す」
陽太は心の中で決めていた。
『この世界の不幸が本当に仁科が引き起こしたものなら…そして殺すことでこの世界を救えるのであれば…おれが仁科を殺すしかないんだ』
だがそんな陽太の心の中など、リーメアリーは知るはずもない。
だからこそだろうか。
「…そうですか。確かに<嫉妬深い神>は男にしか殺せません。ですが……私にはとてもあなたには殺せると思えないのですがね」
リーメアリーの言葉に陽太は「はぁ?」と言うが、彼女の言葉はまるで陽太の心の迷いを見透かしているようだった。
そこへ乱入者が現れた。
陽太だからできること、陽太にしかできないこと。
その迷いを彼女が知ったとき、彼女ならどんな結論を出すのだろうか?
お前が世にも珍しい人間の男か!?
陽太たちとリーメアリーのいる部屋に「リーメアリー!!入るぞ!!」と乱入者が現れた。
入ってきた豪快っぽさを持つ女性にリーメアリーは「ハイランダー、客間で待っているように伝えたと思いますが」と不機嫌そうに言う。
「やかましいわ!!おれは待つのが大嫌いなんだよ!!」
ハイランダーと呼ばれた女性は、リーメアリーの態度も気にせずに言い返す。
そんな少女のことを陽太は観察する。
『あの耳…ハイエルフか?デカいな…美しくないハイエルフもいるのか…』
陽太がそんな失礼なことを考えていることも知らず、ハイランダーは陽太に気がつくと「ひょっとしてお前が世にも珍しい人間の男か!?大変だな、この世に1人の人間の男なんて!!まぁ頑張れよ」とまるで男同士かのように接する。
陽太は彼女の自分への態度を我慢しながら『エルフはおれに触れても発情しないんだよな…発情されても困るけど…』と考える。
そんな彼女の手荒い歓迎に耐えた後、リーメアリーがハイランダーについて紹介した。
「ハイランダーはエルフでありながらこの国の運営に協力してくれているのです。寿命だけは長い分それなりの見識はありますので」
まるで見下すかのようなリーメアリーの説明に、ハイランダーも黙ってはいない。
「言うねぇ、寿命の短い虫けらのくせに。面白いから口は出すが面倒くさいから手は出さないぜ。恨まれてもどうせ人間はすぐ死ぬしな」
ハイランダーの態度を見た陽太は、ハイエルフは性格が悪い奴しかいないのかと疑問にもつ。
そしてそのハイエルフであるハイランダーは、そもそもどうして男である陽太がここに来たのかを、リーメアリーに聞くのだった。
今までにいなかったタイプというわけではないですが、今の話の主要メンバーを考えると、中々に物語を面白くしてくれそうだなぁ。ハイランダー。
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本当にこのままこの男を返してもいいのかよ
ハイランダーの疑問にリーメアリーは説明をしていく。
そしてその説明を聞いたハイランダーは、確かに今は陽太にしか嫉妬深い神を殺せないと理論的には納得をした。
その上で、リーメアリーに聞いた。
「だがリーメアリー、お前はそれでいいのか?人間の頭領は<嫉妬深い神>を守ろうとしてるんだろう?」
ハイランダーの言葉に、リーメアリーは困ったように言った。
「正直言って…神殺しの剣を手に入れたからと言って、この男に復活した<嫉妬深い神>を倒せるとは思っていません。無駄なリスクを冒すよりこのままお引き取り願おうと思っています」
リーメアリーの言葉に、陽太は「はぁ!?」と反応する。
そしてハイランダーも反応した。
「けど本当にこのままこの男を返してもいいのかよ」
リーメアリーは彼女に真意を聞く。
「男と交尾すれば崩月は免れるんだぜ?」
「その噂は本当なのですか?」
「ああ本当さ。みんな長生きすると都合が悪いから、お前達の頭領は男を殺そうとしているんだ。全く小せぇ人間だよな」
ハイランダーの最後の言葉は、リーメアリーの心に火をつけた。
「黙れ痴れ者。我が国母様を悪く言う者はただではおかない。お前の寿命、ここで終わらせてやってもいいのだぞ?」
美しい顔面が崩れるほどに怒りを表して言うリーメアリーに、ハイランダーはめんどくさいと思いつつもはいはいと聞き流した。
そんな状況の中で、陽太は「せめて神殺しの剣を見せてくれないか?」と聞く。
それはせめて封印されているところを見れば、何かこの世界の秘密がわかるかもしれないからだった。
そして頼み込む陽太にリーメアリーは言葉を返さない。
そこへ助け舟を出したのはハイランダーだった。
「いいんじゃねぇの?見せてやるくらい。どうせ何も出来やしねぇよ」
陽太はどういう意味か聞くが、彼女たちは答えることはなく「ではいらしてください」と陽太を案内することにするのだった。
ハイランダーは他の人間の男を知っている?
<嫉妬深い神>と国母様の関係性も疑うべき部分ですね
あれ?仁科は?
リーメアリーの部屋を出る一同。
そしてすぐに陽太が仁科がいないことに気が付く。
その言葉に衛兵が「客人は風に当たりたいとのことで出ていかれました」と答える。
陽太は心配するが、リーメアリーは冷たく小さい街だし衛兵の目もあるから大丈夫だと言い放つ。
そしてハイランダーは面白そうに「さぁ行こうぜ」と言うのだった。
仁科を一人にしたのは悪手だったのかも?
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第169話『魔剣と負けん気』の考察
物語に触れ、感想を紹介した次は、第169話『魔剣と負けん気』の考察をしていきます。
ハイランダーは何か知っている?
神殺しの剣が男にしか扱えないという情報に加え、男と交尾することで崩月を免れることができるということを知っていたりと、不思議な部分があります。
また本来であれば人間が長生きすることで、国母様にとって都合が悪いことがあるということに気がついて、そのことを真っ向から口にする部分もあります。
崩月で死ぬということが問題となっているのに、そのための手段は消すという矛盾を指摘できています。
もしかしたらこの国には、ハイランダーのような者が何人かおり、面白おかしく操っていたり?
……それはないか。
国母様と<嫉妬深い神>
位に関係なく、ガーディアンや一般市民たちの崩月には触れられていますが、不思議と国母様の崩月には触れられていません。
崩月が18〜20歳くらいで起こるのを考えると、この国を治める国母様もどんなに年齢が高くてもそれくらいの歳であり、もっと若くて然るべきです。
しかし物語中で一度たりとも国母様の崩御について触れられていません。
国母様が普通の人間であれば、国母様も崩月で死ぬ可能性があるはずです。
そうなれば「今の国母様は〜〜〜」というような会話があっても不思議ではありません。
ただ物語の中ではそんなことはなく、ただ一人の国母様が存在しているように見えます。
国母様が<嫉妬深い神>の呪いの経緯に関係しているのであれば、国母様が崩月の対象外になる方法を知っており、呪いを逃れたということもあり得るでしょう。
ただその場合、種族を問わずに一律で18〜20歳あたりで崩月を迎えるようにせずに、人間のみが適用されているのは不自然な気がします。
崩月の秘密
例えばの話ですが、この世界において本来の人間の平均寿命が80歳、ハイエルフが200歳と考えましょう。
<嫉妬深い神>の呪いが、寿命を4分の1にするという能力であれば、人間の平均寿命は20歳になり、ハイエルフは50歳になります。
このように人間がたまたま短い寿命となっていただけであり、種族を問わずに一定割合寿命が縮む呪いになっていたとすれば、魔女やハイエルフが人間よりも遥かに長生きなのに納得できるんですけどね。
……まぁこの場合は後天的に人間が魔女になれる件についても考え直す必要もありますが。
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感想・考察記事
まとめ
今回は2021年10月18日(月)発売の週刊ヤングマガジン47号に掲載された『パラレルパラダイス』の第169話『魔剣と負けん気』の感想や考察を語りました。
みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか?
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。
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