『パラレルパラダイス』第168話『心外!?断崖!門外不出!』
それではさっそく、2021年10月11日発売の週刊ヤングマガジン46号に掲載された『パラレルパラダイス』の第168話『心外!?断崖!門外不出!!』の感想や考察を語りたいと思います。
お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。
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第168話『心外!?断崖!門外不出!!』感想
まずは第168話『心外!?断崖!門外不出!!』の物語に触れつつ、感想を語ります。
何かを守るための施設?
悲しい出来事を乗り越えて、カルンナッハへ歩く陽太たち。
今までの街では最終的にはガーディアンたちの協力を得ることができたものの、やはりお尋ね者である陽太たちは隠れて近づく必要があった。
「ちゃんと飴舐めておいてよね。いっつも忘れる」
「わかってる」
ルーミは陽太に声を変えるための飴を忘れないように注意しつつ、先頭を歩く。
そしてカルンナッハの街が見えた。
「カルンナッハはずいぶん小振りな街なんだな」
「街と言うよりも…何かを守るための施設という感じかな?」
陽太は何かとは何かと聞くが、どうやらカルンナッハの街は普通のガーディアンは中に入ることができない上に、住人もいない街らしく、ルーミも詳しく情報を知らないということだった。
そんな状況の街にどうやって入るのかが課題になる。
「そういやリーメアリーは何してるんだ?あいつは協力者じゃなかったのかよ」
陽太が彼女の存在を口にした瞬間、陽太たちの頭上で何か大きいモノが羽ばたいた。
名前だけは知られているけれど、実際にはどんな街か分からない街。
まさに冒険って感じでワクワクします。
……目的が目的なだけに、今回は微妙な感じですが。
またあいつ呼ばわりとは恐れ入りますわ
いきなりのことに自分たちの頭上を守りつつ、何かを確認する陽太。
「またあいつ呼ばわりとは恐れ入りますわ」
羽ばたいたのは、リーメアリーの乗っているドラゴンだった。
「ここへ来るまでにずいぶん時間がかかったのではありませんか?ガッカリです」
リーメアリーは陽太を見下すような目でいうが、陽太はそのことに気がつくことなく、単純に彼女が現れたことに驚く。
リーメアリーは正面から入ろうとしなかったことを褒め、自分自身はユーマを信頼して男である陽太に協力することにしたが、国母様の配下にあるカルンナッハの街では陽太は殺害対象であることを念押しするかのように説明した。
「門の衛兵には私の客人が来ることは伝えてあります。アルスレイヤのマキを名乗ってください。目立たないように変装して近づくように。もしバレたら私も巻き添えですので迷惑です」
伝えつべきことを伝えたリーメアリーは、ドラゴンに乗ったままカルンナッハに戻っていった。
陽太はその姿を「やっぱり連れてってくれないのかよ」と見ることしかできなかった。
まるで導くかのように、ポイントポイントで現れるリーメアリー。
彼女なりにこの国の現状に対して思うことがあるからユーマに協力するのか、それとも別の感情があるのか。
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アルスレイヤのマキです!
陽太の変装を済ませ、ルーミも少しだけ衣服の着方や髪型を変える。
陽太は心配するが、ルーミはこの辺りにはエルフの店もなければこれしかないから仕方がないといった。
そして緊張しながらも門の前に立った陽太たち。
「リーメアリー…様に呼ばれて参りました!アルスレイヤのマキです!」
ルーミの言葉を聞いた衛兵は、何かを確認する。
そして上空に紋章のような何かが浮かび、門が開いた。
「ここがカルンナッハか…仁科、この街見覚えがあるか?」
「ううん、全く…」
街の様子を見ながら、仁科に何か覚えがあるか聞くが、相変わらず彼女から得られる情報はない。
「ルーミ、神殺しの剣はどこだ?」
「わからないよ。まずはリーメアリーと合流しないと」
さっそくリーメアリーのところへ向かうことになったのだが、陽太が「リーメアリーは上位ガーディアンだろ?なんでルーミは呼び捨てなんだ?」と疑問を口にする。
ルーミは同期だからと言い、陽太は単純にリーメアリーがルーミより優秀だからかと納得した。
ルーミは「私だってパラディンだし普通のガーディアンより優秀なんだから!」と反論したが。
「騒がしいですわね」
そこへ、聞き覚えのある声が飛んできた。
目の前にリーメアリーが現れ、彼女は「目立たないように言ったこと、もう忘れたのですか?」と呆れつつ、自分の部屋に案内した。
そして陽太は彼女の部屋に入る前に、仁科に口止めをするのだった。
今までの街よりも格段に現代的といえば現代的な街並みでした。
なんだろう・・・ギリシア系の雰囲気の街づくりといえば良いのでしょうか?
あとは異様に人が少ないことが気になりました。
説明してもらいましょう
陽太たちを部屋に招き入れたリーメアリーは、さっそくこの街に来た理由について説明を求めた。
それはユーマからきた手紙が要領を得ないものだったかららしい。
陽太は説明しようとするが、説明することができなかった。
『本当のことは言えない仁科が<嫉妬深い神>で彼女を殺すとこの世界から崩月の呪いがなくなること。そして普通の武器では殺せない彼女を殺すための男しか使えない剣をもらいにきた。だけどおれはその剣で仁科を殺すつもりはない。矛盾している。筋が通らない』
陽太はどのように説明して良いか必死に悩む。
- 自分が仁科を殺せないのは、3000年前に何が起こったか分からないから。
- コールドスリープから目覚めた仁科は3000年前の記憶を失っている。
- 本当に仁科が悪いのか分からないまま仁科の命を奪うことはできない。
- 自分の説明をしたところで、今崩月で死のうとしているこの世界の人間には関係ないことであり、殺せと言われるのはわかっている。
「黙り込んでどうしたのですか?」
なかなか話をしない陽太に、リーメアリーは話をするように催促する。
陽太はルーミにも仁科が<嫉妬深い神>あることは口止めしており、なんとか端的に言うことにした。
「一言で言えば…この街にある神殺しの剣が欲しいんだ」
その言葉を聞いたリーメアリーは一瞬だけ驚いたあと「欲しいと言われましてもね、神殺しの剣はこの国の神器です。欲しいと言われたから配送ですかと渡すわけにはいかないの」と呆れたように説明する。
そして肝心なことを陽太に聞いた。
「一体なんのために欲しいのですか?」
「<嫉妬深い神>を殺すためだ」
陽太の言葉にリーメアリーは再び驚く。
その目は見開かれており、仁科ではなく陽太を真っ直ぐに見つめていた。
だがすぐに冷静になったリーメアリーは変なことを言う人ねというような目をして言った。
「<嫉妬深い神>を殺す?うふふふふ、おかしなことを言う人ね。どちらにせよ神殺しの剣をあなたに渡すわけにはいきません。そんなことのためにわざわざカルンナッハへ来たのでしたらどうぞお引き取りください」
「ちょっ…なんで!?」
リーメアリーの言葉に、ルーミが前のめりになる。
「神殺しの剣は金床に刺して封印しています。剣を抜いたら<嫉妬深い神>が目覚めてしまいます」
『<嫉妬深い神>が目覚める?仁科の記憶が戻るのか!?』
「<嫉妬深い神>が目覚めたら人が滅ぶと言われています。断じて渡すわけにはいきません」
そういうリーメアリーの目は、最初に陽太に会った時と同じような冷たい色をしていた。
肉体的には目覚めてるはずなんですが・・・
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第168話『心外!?断崖!門外不出!!』の考察
物語に触れ、感想を紹介した次は、第168話『心外!?断崖!門外不出!!』の考察をしていきます。
『封印しています』とは
今回のリーメアリーの言葉で、神殺しの剣は確かに存在し、それが金床に刺して『封印している』ことが分かりました。
ここで重要なのが『封印されている』のではなく『封印している』という点です。
これは作中で言われていた神殺しの剣が男にしか使えないという部分を考え直す必要があるのではと思いました。
リーメアリーは『剣を抜くと<嫉妬深い神>が目覚めるから』と言いましたが、少なくとも剣を封印した者がいることは確かです。
この世界では、人間の男は存在しません。
本当に神殺しの剣が男しか使えないのであれば、剣を封印することすらできません。
この世界最後の男が封印して生涯を終えたのであれば、剣に対する表現は『封印されています』になるはずです。
このことから神殺しの剣が男にしか使えないという意味は、女性が使うことができないという意味ではなく、男でないと真の能力が発揮できないという意味なのではないでしょうか?
消えた科学技術とカルンナッハ
今までの街や冒険でもありましたが、この世界では3000年の間に何があったのかと思うくらいに科学技術が衰退しています。
その割に所々で科学技術が使われているような節があります。
カルンナッハにある神殺しの剣で<嫉妬深い神>が封印されているという言葉をまともに捉えると、今ここにいるコールドスリープから目覚めた仁科は何者なのかという問題になってきます。
彼女は確かに普通の剣で切っても即時に再生する普通の人間の能力ではない力を持っています。
そのことから普通の人間ではないことは明らかですが<嫉妬深い神>と同じかどうかを疑う必要はあるでしょう。
例えば、陽太の声とカルの声が同じに聞こえるように、仁科の姿が<嫉妬深い神>と同じ姿に見えるという特殊な状況にあるだけであるなどでしょうか?
そうなると、言葉の通りに封印を捉えることができます。
もっとも、この場合は仁科が普通の人間ではない力を持っていることに対するツッコミが入りますが、根本的なことを言えば、陽太も交尾によって女性の崩月による死を防ぐ普通の人間ではない能力を持っているので、追求しすぎるほどのことではないのかもしれません。
陽太の想像通りに、力や記憶が復活するという概念であっても、仁科はどのタイミングでコールドスリープされたのか、そもそもコールドスリープすることなく殺せばよかったのでは?、精神と肉体を分けて封印した理由はなんなのかなどやはり疑問点は多くあります。
この世界には、まだ我々が想像し得ない秘密が隠されていそうです。
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感想・考察記事
まとめ
今回は2021年10月11日(月)発売の週刊ヤングマガジン46号に掲載された『パラレルパラダイス』の第168話『心外!?断崖!門外不出!!』の感想や考察を語りました。
みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか?
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。
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