『パラレルパラダイス』第159話『スナイパー・スネーク』
それではさっそく、2021年6月28日発売の週刊ヤングマガジン31号に掲載された『パラレルパラダイス』の第159話『スナイパー・スネーク』の感想や考察を語りたいと思います。
お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。
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第159話『スナイパー・スネーク』感想
まずは第159話『スナイパー・スネーク』の物語に触れつつ、感想を語ります。
血に染まった手
修行をしていったミミは、ついにガーディアンとなった。
ガーディアンとなったミミは、部下を2人呼び出して「肉を食べたいのにゃ」と言い、困惑する2人とともに城の外に狩りをしにいった。
「まだ……たった100人なのにゃ」
城の外に出て森の中に入ると、ミミは部下を2人とも食した。
だがミミは目標の人数にはまだ遠いため、満足はしていなかった。
ある日、当時のグランドスールに呼び出され、ミミと関係のある衛兵が多く行方不明になっていることを不審に思っていると問いただされた。
そんなグランドスール相手に、ミミは様子を伺うように聞き返した。
「このことを他のグランドスール様は知っているのかにゃ?」
この言葉を聞いたグランドスールは、己の武器を床にぶつけ、自分を殺して口封じをするつもりかと怒った。
そして目をかけていたが勘違いだったようだ、責任をとって始末するとミミに戦いを仕掛けた。
その勝負はあっさりとつき、ミミが生き残った。
無傷でグランドスールだったものを食べたミミは口にした。
「ミミは…あんたのことが好きだったのにゃ。
掃除が大変なのにゃ……」
その言葉を呟いたミミは、どこか寂しげだった。
それからもミミの食人は続いていった。
自分は死ぬわけにはいかない、誰が死んでも構わない、良心の呵責なんてない、自分が殺さなくてもどうせ数年で死ぬ、こいつらの短い命は自分の中で永遠の祈りを手に入れる。
まるで言い訳をするかのような言葉を心の中で繰り返しながら。
『死んだらどんな約束も果たせないにゃ』
ミミの中にあるのは、相変わらず約束についてだった。
そんな日々を続けていった結果、今のミミは永遠の命を手に入れたと思い、もう死なないと思っていた。
その姿は人間ではなく、ヒュドラという怪物に変わり果てて…。
良心の呵責はないと思いつつ、どこか言い訳のような言葉が出ているのは、やはりミミが人間だからでしょう。
かつて死ぬ直前だった自分を救って、ガーディアンにまでしてくれたグランドスールを手にかけてしまった時は、本当に後悔しているようにも見えました。
姉を失ったミミにとって、自分を助けてくれた唯一の人だからでしょうか?
これは鉄で出来てるのか?
ロミーを待つ間に防戦一方にならざるを得ない陽太たち。
陽太は外へは逃げれないのかと聞くが、ユーマは住民を巻き込まないようにここで始末するといった。
陽太はロミーはまだかと思うが、ロミーはなかなか戻ってこない。
その間にミミ(ヒュドラ)の口がモグモグとしていき、再び攻撃を仕掛けてくる準備を始めた。
だが曽於の様子は先ほどまでと少し違い、陽太はその様子を見て時間差攻撃をしてくると悟った。
トリスは避けきれないかもしれないと弱気になった。
「ヨータ!!」
そのタイミングで、バケツいっぱいの火燐石を持ったロミーが戻ってきた。
陽太は自分の持っている龍華石の剣が鉄かどうかをロミーに聞く。
ロミーは分からなかったが、ユーマが知っており、剣は鉄ではなかった。
そのことを聞いた陽太は、ルーミから剣を借り、それをバケツの中の火燐石に入れて混ぜ始めた。
ルーミは聖なる剣であるカリバーンになんてことをと抗議するが、陽太は刃こぼれすればカヅチに直して貰えばいい、こうしないとヒュドラを倒せないといった。
そして火燐石でカリバーンを熱した陽太は、タイミングよく攻撃を仕掛けてきたヒュドラの首を切り落とした。
その行為にトリスは驚き、ユーマは絶句した。
ヒュドラであるミミは、複数の目で切断面を見ながら頭が再生するのを待つ。
しかし再生することはなく、ヒュドラは激しい声を出した。
再生しないことに驚くミミに、陽太はヒュドラは燃えた剣で切られると傷口は再生しないことを伝える。
魔女になったばかりのミミは、自分の弱点を知らなかったのだろうと陽太は言った。
ヒュドラとなったミミは、激しく叫び続ける。
『嫌なのにゃ!!
嫌なのにゃ!!
あんなに…
あんなに苦労して死なない命を手に入れたのに…
死ぬのは絶対に嫌なのにゃ!!』
死なない命が尽きることを恐れて。
異世界人である陽太だからこそ、ヒュドラの弱点を知っていた。
ミミは死なない命が尽きることを恐れていますが、本当に死なないのならば、恐れる必要はないのではと思います。
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第159話『スナイパー・スネーク』の考察
物語に触れ、感想を紹介した次は、第159話『スナイパー・スネーク』の考察をしていきます。
本当に死なないのか
魔女になり、ヒュドラへと変貌したミミは、自分が死なない命を得たと思っていますが、果たしてそれは本当なのでしょうか?
ガーディアンやグランドスールを含めたこの世界の人たちは、基本的には20歳を迎えるまでに崩月による死を迎えます。
しかし魔女だけは例外的に崩月を逃れている上に、人間の寿命をはるかにこえた千年単位の寿命を持っています。
ミミはサーニャを食すことで魔女の力を得てヒュドラになりましたが、魔女になっただけであれば、ミミは寿命の延長を行っただけになります。
普通の人間からすれば魔女は不死の存在にも見えますが、実際には寿命が長いだけで死という概念はなくなることはありません。
一方でミミの襲撃を受けたサーニャは、普通であれば死んでいるような状態であったにもかかわらず、生きていました。
それが最後の瞬間だったのか、それともそうではないのかは作中では判明していません。
魔女が寿命以外で死なないというのならば、魔女は自分の体に何かがあった時、永遠の苦しみを得ることになります。
自分の意思で動くことができず、何もできないまま世界が移り変わっていくのを見ることしかできませんから。
ミミはヒュドラとなっているのでなんとも言い難い部分がありますが、少なくとも頭を一つ切り落とされたくらいで苦しむことなく、精神的に焦るくらいで済んでいるのを見ると、普通には死なない、死ねないというのが魔女の運命なのではないかと思います。
そうなると、ミミは最悪の場合、ヒュドラとしても魔女としても人間としても何もできないまま、永遠にも似た孤独を味わうことになりかねません。
これでは、ミミが執着していた約束は守れません。
ミミにとっての不運は、陽太がこの世界にいたことでしょう。
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感想・考察記事
まとめ
今回は2021年6月28日(月)発売の週刊ヤングマガジン31号に掲載された『パラレルパラダイス』の第159話『スナイパー・スネーク』の感想や考察を語りました。
みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか?
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。
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コメント
ヒュドラの中央の首はヘラクレスにも倒せないで岩の下敷きになったんだっけ。あのメンバーは誰も欠けて欲しくないな…