『パラレルパラダイス』第158話『報復絶倒』
それではさっそく、2021年6月21日発売の週刊ヤングマガジン30号に掲載された『パラレルパラダイス』の第158話『報復絶倒』の感想や考察を語りたいと思います。
お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。
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第158話『報復絶倒』感想
まずは第158話『報復絶倒』の物語に触れつつ、感想を語ります。
生きるために
まだ幼いミミは、店から果実を盗んでいた。
街の住人はまた『ミミが盗んだ』と認識しつつ、ガーディアンが捕まえようとしていること、この街では窃盗は死刑だということを話していた。
家に戻ったミミはガツガツと盗んだ果実を食べ、食べ終わると床にうつ伏せに寝転んだ。
「捕まれば死刑でも…
食べないとどっちにしろ死ぬのにゃ…
法律を守っても…
腹は膨れないのにゃ」
そう呟いたミミの元に、ミミをいじめていた子供たちがやってきた。
くさい、蛇女、泥棒、お前を死刑にしてやる。
口々にミミに悪意を向ける子供たち。
「ミミがあんたたちに何か悪いことしたのにゃ?」
ミミの問いに『ただ顔がムカつくだけ』と1人が答える。
そんな相手の顔に、ミミは蹴りを入れた。
そして何が起こったか理解できないもう1人の顔を殴り、2人を倒した。
残った1人は恐怖に足が動かず、腹に蹴りを入れられた。
『こいつらめちゃくちゃ弱いのにゃ
そうなのにゃ
殺されるくらいなら殺してやればいいのにゃ』
そう考えて1人を殺そうとしているミミを、いきなり蹴る者が現れた。
それはミミを探していたガーディアンだった。
ガーディアンが現れたことを好機と捉えたいじめっ子たちは、ミミを捕まえるように、もう逃げられない、死刑だと口にする。
「ミミ、ここまでだ。たて」
ガーディアンの言葉にミミは震える。
「捜したぞ。お前はガーディアン候補生だ」
その言葉に全員が驚いた。
納得のいかないいじめっ子たちはなぜかを問い詰めるが、ガーディアンは「生まれた時に決まっていることだ。だがミミは行方不明でずっと捜していた」と答えるだけだった。
その言葉を聞いたいじめっ子は、自分も候補生にするように懇願した。
だがガーディアンは「お前達とミミとではそもそもび出来が違う」と一蹴した。
いじめっ子達はその言葉に絶望したり、歯を食いしばったりする。
この状況で、ミミは感じていた。
『気持ちいいにゃ…』
自分が認められる状況、立場が逆転していく状況に快感を感じていた。
そしてミミはガーディアンになるための訓練を受けて行った。
その様子を見たガーディアンは、やはりミミは出来が違うという。
『ミミはガーディアンになって認められるにゃ。
でも…
どんなに強くても…
死んだら意味がないのにゃ…
死んだら全て無意味なのにゃ…』
ミミの脳裏には崩月していく姉の姿があった。
そしてミミはある人物の元に向かった。
今まで自分を見下していた人たちよりも上に立てる可能性がある。
自分は認められて、その人達は認められない。
姉を失ったところにガーディアンという希望の光が見え、さらに自分を見下してきた人たちの絶望を目の当たりにしたことで、ミミが歪んでいったというところでしょう。
魔女になる方法だ?
死んだら意味がないと考えたミミは、魔女のサーニャの家を訪れていた。
「魔女は本当に何千年も生きていられるのにゃ?
ミミも魔女になりたいのにゃ」
方法を教えて欲しいというミミを訝しめに見たサーニャは、少しだけ間を開けてからあると答えた。
「喰うんだよ、人の肉を。
魔女は人の命を喰うことで生きながらえるからね。
私も魔女になるために千人は喰ったかねぇ」
サーニャの顔はまるで何かを企んでいるかのような、からかっているような笑みになっていた。
「わかったのにゃ!!
ありがとうにゃ!!」
サーニャの言葉を聞いたミミは、お礼を言うとサーニャが引き止めるのも聞かずに行ってしまった。
ミミを止められなかったサーニャは少しだけ呆然とした後に、独り言を言うのだった。
「百年に一人はああいう子が来るんだけどね。
いつも諦めさせるためにこう言ってるんだが…
まぁ千人も喰うわけないだろ…」
サーニャの言葉はまるで自分を納得させるかのようだった。
だからサーニャはミミを逃したのか…
絶対に死なないのにゃ
サーニャから魔女になる方法を聞いたミミは、早速かつての家に、かつてのいじめっ子達を呼び出した。
ミミは自分を殺そうとしたことを咎めるが、だったらなんなのか、泥棒は死刑なのにと反論する。
前は顔が気持ち悪いから死ねと言ったと別のことを言い、自分がガーディアンになったらいうことを変えるのかと質問をする。
その質問に答えを出せなかった3人は、そんなことを聞くためにと呆れつつも帰ろうとする。
「違うにゃ。これは儀式なのにゃ」
ミミの言葉に思わず足を止める3人。
「初めて食べる人間は…
良心の呵責を感じない動物みたいな奴がいいのにゃ」
そう宣言したミミの顔や手、それだけでなく全身は血に染まっていた。
「ミミは絶対に死なないのにゃ」
ミミの周りには、さっきまで生きていた者の血が散らばっていた。
ミミなりの決心だったのかなと思います。
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第158話『報復絶倒』の考察
物語に触れ、感想を紹介した次は、第158話『報復絶倒』の考察をしていきます。
ミミの覚悟
泥棒という犯罪を犯したミミは、自身が生まれながらのガーディアン候補生であったことで命拾いをしました。
姉と日々を過ごしていたミミは純粋で、姉からの愛に包まれていました。
そんな日々を、姉の死によって強制的に手放すことになった耳にとって、ガーディアン候補生としての訓練を受けることは、新たな生きる目標となったのではないでしょうか?
ただその際に、いじめっ子達よりも特別な扱いをされていることにミミは快感を感じてしまっていました。
そのことが、ミミの純粋さを失わせる第一歩になったと思います。
またガーディアンの訓練を受けつつも、強くなっても死んだら意味がないという考えにミミはとらわれるようになります。
それは愛する姉を目の前で失ったからこそ、より強くそう思うようになったのでしょう。
そんなミミはサーニャを訪ねて魔女になる方法を聞きましたが、サーニャにとっての誤算は、ミミが純粋すぎたということでしょう。
だからこそ本当に千人も喰らい、それだけでなく自身も喰らったミミを、サーニャは異常だと判断したのでしょう。
そんな純粋な少女だったミミが最初に喰らうのに選んだのが、かつて自分をいじめていた者だったのは、自分なりの決心だったのではないかと思います。
過去に区切りをつけ、後戻りできないようにする。
自分の正義・目標を達成するために。
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感想・考察記事
まとめ
今回は2021年6月21日(月)発売の週刊ヤングマガジン30号に掲載された『パラレルパラダイス』の第158話『報復絶倒』の感想や考察を語りました。
みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか?
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。
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