【感想・考察】パラレルパラダイス 第149話:まぢかマジカル

パラレルパラダイス
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『パラレルパラダイス』第149話『まぢかマジカル』

それではさっそく、2021年3月22日発売の週刊ヤングマガジン17号に掲載された『パラレルパラダイス』の第149話『まぢかマジカル』の感想や考察を語りたいと思います。

お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。

第148話の感想・考察はこちらから

【感想・考察】パラレルパラダイス 第148話:失われた時間を求めて
2021年3月8日(月)発売の週刊ヤングマガジン2021年15号に収録された『パラレルパラダイス』第148話:失われた時間を求めての感想や考察みたいなものを語っています。みなさんもお手元に漫画をご用意していただくと、より楽しめるかと思います。

第149話感想

まずは第149話の物語に触れつつ、感想を語ります。

仁科、再生

サーニャが仁科の額に手を当てると、仁科に向かって雷が落ちる。
仁科は目を見開き、その様子を陽太やユーマ、ルーミは固唾を飲んで見守る。

雷が止まりサーニャが手を離すと、仁科はそのまま机に倒れた。
そしてみんなが見守る中、仁科が体を起こし始める。
するとその瞬間、ユーマが剣を振り下ろして虹奈を真っ二つに切り裂いた。

「おい!!何をする!?」

念のためと言っていたはずなのに、剣を振り落としたユーマを陽太は掴みかかる。
ユーマは詰め寄った陽太に「一人の人間を殺して世界を救えるのであれば躊躇なく殺す」と言い放った。

そしてそのまま交戦しそうになる二人だが、それを止めたのはサーニャだった。
だがそれはこれ以上家が汚れるのが嫌だからという理由だった。

そしてサーニャが視線を仁科に戻すと、なんと真っ二つになった仁科が再生していた。
その光景に驚くユーマに、サーニャは呆れたような目でそんなんじゃこいつは殺せないと言ったはずだという。

陽太もそれに加えて殺せないと言ったはずだという言葉とともに、無駄に仁科を痛がらせやがってという。

そのまま何も話さない仁科にユーマは再び剣を構える。
陽太はだから無駄だと言ってるだろというが、ユーマは何かあった時に時間稼ぎくらいはできると言ってやめなかった。


仁科が通常の方法では本当に殺せないということを再確認する意味がある場面なのかなと思います。

記憶

陽太はユーマのことを気にしつつ、仁科が記憶を取り戻したのかということを気にしていた。

「ねぇ・・・」

話し出した仁科にサーニャを除く一同は驚く。

「私の服、どうして破けてるの?」

いつもと変わらない様子の仁科に、陽太は「他に言うことはないのか?記憶を取り戻したんじゃないのか!?」と聞く。
その言葉に「えっ?記憶?」と答えた仁科は、一瞬だけ口元だけで笑うと「陽太、久しぶり」と言った。

そして陽太に向かって「学校の窓から落ちてきれた手と足、治ったんだね」と言った。

仁科の言葉を戸惑ったような顔をしながら目を見開いて聞いていた陽太は「……」と間を開けつつ、仁科同様に口元だけで笑ってから「思い出したのか…」と言った。
そして陽太の言葉に「思い出したよ」と返す仁科。

そして仁科は思い出した記憶を語る。

「私、陽太と一緒に病院の窓から落ちた。でしょ?」

微笑む仁科に、陽太はやはり「……」と一拍開けてから口元だけ笑ったような形で「ああ」と言った。


仁科と陽太が対照的になるかのように口元だけ笑っているかのような描写がされました。
これは今後の伏線になっているような気がします。

嫉妬深い神になった理由

仁科が自分と一緒にいた時代での出来事を思い出していることを確認した陽太は、その後の仁科の動向を確認した。

自分と一緒に病院の窓から落ちた後の仁科がどこに行っていたのか、この世界で仁科に何があったのか、仁科が何をしていたのか。
そしてなぜ仁科が『嫉妬深い神に』なってしまったのか。

仁科に「教えてくれ!!」という陽太だったが、残念なことに仁科にはその辺りの記憶が全くないということだった。

「覚えていることは…一緒に窓から落ちて…気がついたら…あの地下室からの記憶…」

それを聞いた陽太はどういうことだとサーニャに言う。
サーニャは淡々と自分に操作できるのは人間の脳だけで、不死身の嫉妬深い神になって人間で亡くなった後の記憶は自分にも取り戻せないと言った。

半分記憶が戻っただけでも良かったじゃないか、ふとした拍子に全ての記憶が戻ることもあるから気を落とすんじゃないと言うサーニャの言葉に、陽太は苦々しい顔をする。

「……なんかごめん…」

仁科はそういうが、陽太は戸惑っていた。
仁科はこの世界に来ていきなり嫉妬深い神になったということなのかと。


陽太は仁科がこの世界に来ていきなり『嫉妬深い神』になったのかと戸惑いましたが、実はそれは全く否定できません。それは陽太自身の持つ能力にあります。詳しくは考察で。


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サーニャの知る嫉妬深い神

困った陽太はサーニャに何か知らないかを聞く。
3000年前から生きているのだから、仁科がこの世界で何をしたのかを知っているだろうと。

サーニャはその質問におとなしく答えた。
自分が知っているのは嫉妬深い神が世界をこんな風にした後のことだけ。
もちろん嫉妬深い神にあったことはあるが、どうしてこんなことをしたのかまでは知らないと。

陽太は続けて3,000年前の仁科の様子を聞き、サーニャは恐ろしい女、この世のものとは思えない程のと答えようとする。

だがさっきまで表情豊かだった仁科が表情のない無機質に近い表情でサーニャを見つけると、サーニャは冷や汗をかき、記憶をなくしていても恐ろしいものは恐ろしいと語るのをやめた。


サーニャを見る仁科の表情だけを見れば、実は仁科は嫉妬深い神としての記憶を取り戻しているかのように見えますが、それはフェイクなのではと思います。

嫉妬深い神を殺す剣

今までのサーニャと陽太の会話を聞いていたユーマは「それでは結局…崩月の呪いは解けないということか。人間を崩月の呪いから救えないということか!!」と言う。

だがサーニャは呪いを解くだけでいいならできると言う。

今陽太たちがいる街から北にあるカルンナッハに嫉妬深い神を殺すことができる剣があるからだという。
それがあれば嫉妬深い神を殺せる、単純な話だと言い放つ。

『仁科を殺す剣!?おれがその剣で仁科を殺すのか?』

サーニャから剣の存在を聞いた陽太は戸惑うのだった。


問題はその剣が誰にでも使えるのかという点でしょう。


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第149話考察

物語に触れ、感想を紹介した次は、第149話の考察をしていきます。

慈悲深い神は誰なのか

第148話でユーマの口から始めてその名前が出てきた慈悲深い神。
嫉妬深い神が本当に存在するのだから、慈悲深い神も本当に存在しているものだと思います。

嫉妬深い神は人に呪いをかける災厄的な存在。
それに対して慈悲深い神は人を救う存在。
まさに対になる神だと言えます。

148話での詳細は下記のリンクよりご覧ください
https://kuonayano.com/parareruparadaisu-kansou-148wa/

仁科の記憶の通りに仁科がこの世界にやってきた瞬間から嫉妬深い神であったと仮定するのならば、仁科と同様にこの世界にやってきた瞬間から慈悲深い神であった者がいるのではないかと私は予想します。

そしてそれは陽太なのではないかと私は睨んでいます。

仁科は嫉妬深い神としての記憶や力が封じられた状態でしたが、殺そうとしても殺せない脅威的とも言える再生能力という嫉妬深い神としての力の一端を見せていました。

陽太は、この世界に来てから嫉妬深い神のような再生能力はなく人間と同様に簡単に死んでしまう存在ではありませんでしたが、交尾によって人々を崩月から開放することができました。

陽太の能力に対して例外がいるのではないかというツッコミがありそうですが、それは嫉妬深い神とて同じです。
なぜならば魔女という存在がいるからです。

この世界に存在する女性が全て嫉妬深い神の呪いによる崩月による影響を受けるのならば、それは人に対してだけでなく動植物を含む全ての生命が同じように崩月を迎えるはずです。
しかし魔女という例外が存在することで、全ての生物という点は否定されています。

ここまで雑に簡単にですが、嫉妬深い神や陽太の能力の例外についてまとめました。

その上で嫉妬深い神・慈悲深い神として対比させる際に、慈悲深い神を陽太と仮定して対比させると次のようになります。

神の名前:嫉妬深い神・慈悲深い神(陽太)
再生能力:あり・なし
人間に対して:呪いをかけた神・呪いを解ける
それぞれの能力の例外対象:魔女・一部の女性
神としての記憶:(自称)なし・なし

大体こんな感じでしょうか?
神としての記憶に関してはなんとも言えない部分がありますが、嫉妬深い神と陽太は能力的には対比させることのできる存在なのです。

このような点から陽太が慈悲深い神なのではないかと睨んでいるのです。
男性と女性という対比もできますしね。

それぞれの笑顔

仁科の口元だけが笑った描写、陽太の口元だけが笑った描写というのが、今回の注目点その1ではないでしょうか。

単純に受け止れば、仁科はわざと何かを隠していて、陽太は仁科が自分のことを思い出してくれて嬉しいと言ったあたりに落ち着くでしょう。

またその描写の前後での陽太の呼び方も気になるところです。
自分の記憶について話すときは『陽太』、この世界に来てからの記憶を話すときは『ヨータ』と呼称が分かれています。

それが仁科としての記憶とこの世界での仁科としての記憶が分断されていることから起きていることなのか、意識しているからなのかが気になるところです。

陽太に記憶について問われるまでは、今までのような記憶のない状態のような話し方をしているのに、陽太に記憶について聞かれた瞬間から、まるで元の目的を思い出したかのように話し方が変わったように感じるのも、仁科を疑わせる原因でしょう。

ただしこの点についてはいくつか弁護できる点があり、急に記憶を取り戻したが故に混濁が起こっている、自分でも少しずつ整理しながら話しているなどが考えられるでしょう。

また一種の妄想になりますが、仁科の中に仁科ではない人格(嫉妬深い神)が存在している可能性も考えられます。

嫉妬深い神を殺すことができる剣

サーニャの口からその存在が出てきたことにより、嫉妬深い神を殺すことのできる剣が存在することが分かりました。
またそれと同時に嫉妬深い神を殺せば、この世界にかけられた崩月の呪いが解けることも分かりました。

ですが、事態は本当にそんな単純なことなのでしょうか?
サーニャのことです。
殺せる剣は確かに存在するが、それが神にしか扱えない代物だということなど理由付けによって実質的に使えない剣である可能性も否定できません。

この場合に陽太のみが持つことができた場合、陽太がより特別な存在であることになるでしょう。

また陽太が自然に自分が剣を使って仁科を殺すことを想定しているのは、自然なことなのか仕組まれたことなのか。

まだまだ謎が残ります。


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まとめ

今回は2021年3月22日発売の週刊ヤングマガジン17号に掲載された『パラレルパラダイス』の第149話『まぢかマジカル』の感想や考察を語りました。

みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか?
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。


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