『パラレルパラダイス』第147話『望まれざる者 招かれざる存在』
それではさっそく、2021年3月1日発売の週刊ヤングマガジン14号に掲載された『パラレルパラダイス』の第147話『望まれざる者 招かれざる存在』の感想や考察を語りたいと思います。
お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。
第146話の感想・考察はこちらから
第147話感想
まずは第147話の物語に触れつつ、感想を語ります。
怒りの鉄拳
ロミーの反撃にあったミミは、顔を押さえる。
ミミはロミーの反撃に太刀打ちすることできず、あっという間に倒れる。
そんなミミにロミーは立てといい、ミミはロミーに待てと手を出しながら立とうとする。
そんなミミに、ロミーは容赦なく蹴りを入れる。
「あなたが自分で言ったのデス
これは殺し合いだと」
ロミーはミミが言っていた言葉を送り返してから続ける。
「狩りに出かけて行方不明になった数十人…
あなたが殺して食べたのデスか?」
ミミはその言葉を聞いて反省することもなく、だったらなんなんだにゃとロミーに攻撃を入れる。
しかしロミーは簡単に反撃をし、殺してやると言ってトドメを刺そうとする。
そんなロミーを、地下へやってきたユーマが止めた。
ロミーの真の実力を見誤った結果であり、自身の実力を過剰に評価した結果が、2度目のロミーへの敗北でしょう。
最も、今回は本当に殺されそうになっているあたり、ロミーとミミの実力差はかなり大きそうです。
ぬか喜び
ロミーを止めたユーマ。
そのユーマに、ミミは殺さないといけないやつだとしっかりと自分の意見を言い、今までミミがしていたことを教える。
だがユーマの返事は変わらず、殺してはダメだというもの。
どうしてもミミを殺したければ自分と戦ってからにしろと言われ、ロミーは黙るしかなかった。
その光景にミミは喜び、ユーマの無駄な正義感が好きだ、ミミは絶対に死なないのにゃと笑う。
そんなミミに、ユーマは冷静に「何を勘違いしている?」という。
ミミはその言葉の意味はわからない。
そしてミミは、ユーマが今自分を殺さなかった理由を知った。
「ミミの命には別の使い道が決まっているだけだ
供物として生きたままお前の脳を魔女に食わせるのだ」
それを聞いたミミは、すごく驚く。
そんなミミに、ユーマは真っ直ぐに言い切った。
「私は確かに正義感が強いのかもしてない
だからこそ…
お前は当然死すべきと判断した
せめて誰かの役に立ってから死ね」
それを聞いたミミは逆上してユーマに襲いかかるが、ユーマは手負の人間に負けるほど弱くないと、一撃でミミを気絶させた。
そしてユーマはロミーにどうせ上手く口車に乗せられて牢を開けたんだろう、だから無駄に怪我をするんだと言う。
だがロミーに処罰を下すことなく、ユーマとともにいたトリスが、ロミーの傷の手当てをするために、治療場所へと向かった。
ユーマもトリスもロミーに何も処罰をしなかったあたり、ミミのやってきたことを知っていたのかなと思ったりもしました。
人間らしいロミー
ロミーが怪我をしたと聞いた陽太は、慌てて治療後のロミーのいる部屋に飛び込んできた。
ロミーは驚きつつも、陽太にあまり元気がないと返事をする。
貴重なエルフの薬を使ってもらったから、2〜3日くらいで元に戻ると聞き、陽太は安心した。
そこまで話をすると、ロミーはいきなりもじもじしだした。
それは陽太にパジャマ姿を見られるのが恥ずかしいからだった。
それを聞いた陽太は、朝まで交尾をしていたのに今更という。
そんなデリカシーのない陽太に、ロミーは「死ぬのデス‼︎」と思いきり蹴りを貰った。
少しずつ小出しになっていたロミーの過去の全てが(読者視点で)明らかになる?
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記憶を取り戻すということは
夜になり、陽太は夕食を取りながら、仁科に明日、魔女に記憶を取り戻してもらうことになったことを伝える。
嬉しいかどうか聞かれた仁科は、怖いと言った。
陽太はそのことに理解を示しつつ、自分は楽しみだという。
それは仁科に自分を思い出してもらうことなのだから。
陽太の言葉を聞いた仁科は、少し頬を染めて「そう」と返事をした。
陽太の顔は穏やかなものであり、隣に座るルーミは嫉妬したような顔をしていた。
記憶を取り戻す。
それ自体は良いことだとしても、もし自分が本当にこの世界に呪いをかけた本人なのかを知ることにも繋がり、それが怖いのかなと思います。
魔女が恐れるもの
同じく夜。
魔女の家の扉を叩く者がいた。
「誰だい、こんな時間に」
魔女は不快感を示しつつドアを開ける。
訪問者は闇を纏っており、魔女は思わず尻餅をつく。
そしてそのまま息を切らしつつ、尋ね人に聞く。
「なんで…!なんでお前が…‼︎」
魔女の顔は、恐怖を感じている状態そのものだった。
魔女が恐れる存在……
どれだけ強力な力を持っているのでしょうか?
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第147話考察
物語に触れ、感想を紹介した次は、第147話の考察をしていきます。
武器と素手、プライドのその先で
今まで幾人もの人を喰らい、力をつけたつもりになっていたミミ。
武器を持てば確かにミミは強かった。
逆に武器を捨て素手になればロミーが強い。
ロミーは自分が本気を出せば人を殺しかねない力を持っていることを十分に理解していた。
ミミは自分が人を殺せるだけの実力があることを理解しつつ、相手の本質を理解することをしなかった。
だからこそ、見下していたロミーに負け、仲間だったユーマに役に立って死ねと言われる。
ミミが少しでも慎重であり、周りのことをよく理解している人物であれば、ロミーの危険さは理解できたはずです。
ミミの敗北の原因は、下調べ不足というよりは、ガーディアンのことをまともに知ろうとせず、自分より格下の存在として見ていたことでしょう。
そんなミミが、魔女の生贄になることを聞いて口で反撃することなく、ユーマに直接襲いかかるという手段を取ったということは、ミミにとって魔女は恐るるべき存在であるということでしょうか?
仮にそうであれば、交渉条件を引き出して無事に帰ってきた陽太たちは地味にすごいのでは?
仁科が思い出す記憶とは
今回の物語の流れ的に、魔女が無事に仁科の記憶を取り戻してくれることはないでしょう。
ただ今回の話で少し気になったことができたので、仁科が記憶を取り戻した時のことを考察します。
まず記憶を思い出すことに対して、仁科本人は怖いと言っています。
この怖いという言葉が出てきた理由は、いくつか考えられます。
・自分の知らない自分を思い出すのが怖い
・自分が本当に嫉妬深い神であった場合が怖い
前者であった場合、元の自分と今の自分に大きな違いがあった場合を想定した際に感じる恐怖心が原因だと考えられます。
後者であった場合、それは目の前にいる自分を加護している存在に殺されるかもしれないことに対する恐怖心、または自分が自分でなくなるかもしれない恐怖心が原因だと考えられます。
陽太は仁科が記憶を取り戻すのが楽しみであり、それは仁科に自分のことを思い出してもらえることが明らかになっています。
しかし陽太は、仁科とこの世界で出会った経緯を忘れていやしませんか?という話にもなってきます。
その考察は、仁科の記憶がどう蘇るかによって変わってきます。
パターン1:陽太が元いた世界での記憶のみ思い出す
これが考えられる中である意味で陽太にとって一番平和なパターンでもあり、問題解決を遅らせる原因にもなりうるパターンです。
現代での陽太との日々を思い出したところで状況は変わらず、むしろ記憶がないのにこの世界に呪いをかけた嫉妬深い女神として扱われる。
そんな状況では、仁科がまともに生活ができるかどうか……。
そして元々の目的であるこの世界にかけられた呪いを解く方法を女神自身から聞く・知る方法が取れなくなります。
陽太的にはハッピーエンドに近く、作中世界の人間にとってはバッドエンドに近い状態になるのではないでしょうか?
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パターン2:嫉妬深い神としての記憶だけが蘇る
このパターンは、考えられる中で一番どうしようもないパターンでしょう。
陽太にとっては、恋愛対象で守るべき存在であったはずの仁科が、今日から敵になる。
それどころか、これから何をするか分からない。
そうなれば仁科を殺すしかないのだが、彼女は殺すことができない。
過去にそうしようと試みた際にも、不可能なのは確認済み。
こうなると、仁科ではなく嫉妬深い神が復活しただけであり、元々の目的である呪いを解く術を聞くという目的は果たせるかもしれませんが、陽太的にはバッドエンドに近いのではないでしょうか?
パターン3:現代の記憶と神の記憶の両方を思い出す
このパターンが一番理想的でもあり、仁科にとっては複雑な気持ちになるパターンでしょう。
陽太と過ごしてきた日々を思い出せば、仮に嫉妬深い神としての記憶を思い出したとしても、変なことをする確率は少なくなります。
ただ仁科自身には関係なくても、嫉妬深い神としてこの世界に呪いをかけたことで、間接的にたくさんの人を殺してきたという見方もできるわけで、こうなると本人的にはかなり苦しいのではないでしょうか?
本当に呪いを解けるの?
仁科の記憶の蘇り方としては上記の3パターンしかないような気がしますが、そのうちの2パターン、つまり嫉妬深い神としての記憶を取り戻した場合に共通して考えられることがあります。
それは呪いをかけたけど、解き方までは知らないというパターン。
RPGや異世界モノではよくある話で、それを特別な道具や奇跡で治すのが定番だったりします。
それがパラレルパラダイスの世界でもあり得ないとは言い切れません。
例えば嫉妬深い神がいるのならば、逆に慈愛深い神みたいなのがいてもいいのではないでしょうか?
嫉妬深い神が嫉妬心から呪いをかけたのならば、慈愛深い神は慈愛の心から皆を救うみたいに。
嫉妬深い神は自分たちの生活に悪影響をもたらすが故にみんなの記憶に残って語り継がれてきたが、慈愛深い神はいつの間にか忘れ去られてしまった。
だから両者とも封印されているが、嫉妬深い神のみ封印場所が知られていた。
そんなこともあり得るのではないでしょうか。
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仁科はこの世界の法則内の存在なのか
仁科の記憶について考察をしている間にふと思ったことがあります。
それは『仁科は崩月によって死を迎えるのか?』です。
現時点での仁科は、現代・未来世界共通の人間の女性として存在しているように見えます。
仮に仁科の肉体が未来のものである判定かつ人間である場合は、仁科自身も崩月によって死を迎える可能性があります。
またその場合も、陽太と交尾をすることによって崩月を避けられるのか?や仁科の肉体は現代から引き続き使われているものなのか?など考えられることが多すぎるので、今回は深く言及はしません。
しかし、いずれこの問題にぶち当たるのではないかと思います。
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感想・考察記事
まとめ
今回は2021年3月1日発売の週刊ヤングマガジン14号に掲載された『パラレルパラダイス』の第147話『望まれざる者 招かれざる存在』の感想や考察を語りました。
みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか?
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。
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