【感想・考察】『彼女、お借りします』満足度220：楽園と彼女32

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【感想・考察】『彼女、お借りします』満足度219：楽園と彼女31

2022年1月12日（水）発売の週刊少年マガジン2022年7号に収録された『彼女、お借りします』満足度219：楽園と彼女31の感想や考察みたいなものを語っています。みなさんもお手元に漫画をご用意していただくと、より楽しめるかと思います。

kuonayano.com

2022.01.18

満足度220：楽園と彼女32

まずは満足度220：楽園と彼女32の物語に触れつつ、感想を語ります。

規約違反のロイヤルストレートフラッシュ！！

11月24日15時25分過ぎ
再びプールで遊ぶ一同。

和也はその中でも、浮き輪を使うウォータースライダーを楽しむ千鶴の姿を見ていた。

「えっ！？」

和也は気が付けば、ボタボタと鼻血を流していた。
そのことに気が付いた和也は、この期に及んで千鶴に見惚れていた自分のことを律するために、必死に顔を拭う。

『はぁ…考えれば考える程、なんで俺は告白なんてしちまったんだろう…』

今になって千鶴に告白したことを、再び後悔しはじめる和也。

和也からしても、他者から見ても、千鶴は「現代の至宝」ともいえる程に、世界中の男子が付き合いたいと思う地上の女神に見える。
自分のようなやつに「特別な好意」を持つはずはないと考えて、冷静になる。

よくよく考えれば、この旅行では『宿泊』『無予約』『水着』『割引』そして『告白』。

『まるで規約違反のロイヤルストレートフラッシュ！！』

和也は自分がしてきたことに、今更ながら戦慄する。

『この旅行が成り立っている事自体、水原の恩情以外の何物でもねーっていうのに、規約違反役満男のどこに惚れろっていうんだよ…』

プールの水をブクブクと泡立てながら、千鶴の笑顔を遠くから見守る和也。

そんな状況の和也たちのもとに、ある意味で招かれざる者がやってきた。

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あーっ、ここに居たんだーっ

「あーっ、ここに居たんだーっ。結構捜しちゃったよーっ！」

和也たちのもとにやってきたのは麻美。
麻美は笑顔で「全然見つからないんだもん。スプリングタウンの方まで行っちゃったー！」と言って、合流する。

木部は麻美のことを歓迎するが、千鶴は「！」と緊張し、和也も千鶴のことを思って警戒する。

『そういや麻美ちゃん、水原と何かあったって言ってたけど大丈夫なのか？でも水原「平気」って言ってたし…』

麻美は木部にナンパされた話を披露している。
千鶴は緊張しながら「…………」と麻美に「交換条件ってことで」と言われたことを思い出す。

少し考え込んだ千鶴は、ざぱっと泳いで麻美たちの方に行く。

「キャッ冷！マジ不意打ち」
「あははっ、大丈夫ですか？びっくりしますよね」

プールの中の滝の水しぶきに驚く麻美。
そんな麻美に、千鶴は仲良さげに話しかける。

『良かった……本当に「平気」みてーだな…』

2人の仲良さげな様子を見て、和也は安心すした。

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そーいやもうすぐ冬だもんな

「わー凄い、プールサイドに温泉まであるーっ！気が利くー！」

約40度の温泉プールがあることに気が付いた瑠夏のテンションが上がる。
そして6人は温泉プールに入る。

「屋内といえど、これだけ遊ぶと流石に冷えますねー」
「プールあるあるだね」
「分かるーっ」

女性陣の感想は、水温関係のこと。

「はー染みるーっ」
「無職のおっさんかよ」
「いや。なんで無職なんだよ」

男性陣の会話は、特にろくなことがない会話だった。
そんな会話の最中、和也は『そーいやもうすぐ冬だもんな』と考える。

『今年の冬は色々あったけど、なんだかんだ楽しかったかもな…
水原からクリプレ（お詫び）貰えたり…初詣行ったり…
瑠夏ちゃんもいたし…
俺が女子に囲まれてるなんてありえなかったのに…』

和也は目まぐるしく起こった日々のことについて考える。

『瑠夏ちゃんの事だってこのままってわけにはいかない…
またいつこんなピンチが訪れるか分かんねーし、練馬着いたらハッキリしねーと』

楽しい事だけでなく、しっかりと向かい合わないといけない現実についても考える和也。

『今年の”冬”はまた一人かな…』

少しだけ寂しい事も考えてしまう。
それでも時間は進んでいく。

「おおっ、麻美殿も合流しておったか」
「あっ、和さん」
「なんじゃ芳秋、まるで無職のおっさんではないか」
「え！？俺は無職にしか見えないの！？」

和や和也の両親も現れ、どんどんにぎやかになっていく。

「どうじゃろ皆っ。そろそろプールを出て、露天風呂にでも浸かりながら、ゆっくり夕食に備えるというのは。それに道中には水着で入れるゲームセンターもあるぞっ」
「ゲームセンター！」

和の言葉に、みんなのテンションが上がっていく。
そんな一行のことを、和也は「…………」と見つめる。

『だいたいどうだ。こんな美少女3人とプール旅行なんて、俺の人生で考えられなかったろ…？
こんな状況でも水原完璧に「彼女」やってくれるし、ばーちゃんや木部にもバレそうにない。
旅の恥は掻き捨て。正真正銘のラストレンカノライフ』

和也はそう思う。

『「最後の思い出」くらい、前向きでもいいのかもしれない…』

和也の顔は穏やかで、千鶴の顔はものすごく笑顔。
だがその時は、刻一刻と近づいていた。

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え…っ！？

「ではゲーセンはあっちじゃ、行こうっ」
「わーい」

和の案内で、一行はゲームセンターの方へと歩いていく。
その最中、麻美がスマホを取り出し、少しだけ操作をしてからタオルの中に挟んだ。
スマホは全く固定されなく、ぐらついている。

「ちょっと皆、置いてかないでよー」

麻美は元気よく背伸びをして、前を歩く皆に話しかける。
その瞬間、麻美のスマホが落ちた。

「おやおや麻美殿、スマホが……！」
「！お義母さん…？」
「どうしたんだお袋、立ち止まって……なっ！？」
「え…っ！？」

麻美のスマホを拾おうとした和は、スマホの画面を見て驚く。
不思議に思った和也の両親も、画面をのぞき込み、驚いて声が出ない。

「どうしたんですか？おばあさ…え…っ！？」

和たちが固まっているのを不思議に思った瑠夏も近くへ行き、スマホの画面を見て、まずいといったように驚いて固まってしまった。
みんなが集まっていることに気が付いた木部と栗林も、寄ってくる。

「何々？どったの？は…っ！？」
「え？な…っ！！！」

木部もみんなと同様に驚き、瑠夏と同様に和也と千鶴の事情を知っている栗林も、目の前で起きていることに気が付いて驚いた。

「え？」

そんな状況に気が付き、やはり不思議に感じた千鶴もみんなのもとへ向かう。

「っ……！！」

スマホの画面に表示されているものに気が付いた千鶴は、驚く声を必死に抑えながら、顔から血の気を引かせながら、和也の方を見た。

和が拾おうとした態勢のまま見ている麻美のスマホ。
そこには……

千鶴のレンタル彼女のホームページが表示されていた

「え…っ！？」

和也は千鶴の身に何かが起こったことには気が付いた。
だが何が起こっているのかは、まだ理解していない。

麻美は何も反応しない……

そして……

11月24日
15時37分

東京駅を……練馬を待たずして

嘘だらけの「レンカノライフ」は終わりへと向かう

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満足度220：楽園と彼女32の考察

物語に触れ、感想を紹介した次は、満足度220：楽園と彼女32の考察をしていきます。

レンカノライフの終わり

今回の麻美の策略によって、間違いなく『（普通の）レンカノライフ』は終わりを告げます。

みんなが千鶴がレンタル彼女として働いている事務所のホームページ画面を見てしまいました。

これが満足度219『楽園と彼女31』にて麻美が口にしていた「もう無理」「なんかいいや」という言葉の真実だったのでしょう。

この二言に秘められた真の言葉。
それは「（千鶴に自ら嘘を告白させるのは）もう無理」「（和也と千鶴の関係を使って遊ぶのは）なんか（もう）いいや」といったことなのでしょう。

麻美は自らの手を汚すことなく、偶然を装って2人の関係を終わりへと向かわせることに成功したのです。

今後の対応はどうなる？

さて、今回の麻美の策略のせいで、みんなにレンタル彼女のページがあることがバレてしまいました。
そのために、和也と千鶴が取ると思われる行動について考えてみましょう。

１．正直に話す（別れるけど）

もともとの計画では、和也は千鶴がレンタル彼女として働いていることを隠したまま、別れたことにするつもりでした。
しかし、こんな状況ではそんなことはできません。

最初に考えられるのが、千鶴がレンタル彼女として働いていることを正直に話すということが考えられます。

ただこの先の行動で、ある程度のパターン分岐が考えられます。

その分岐の1つ目が、和也と千鶴は付き合っていたけれど、千鶴がレンタル彼女として働いていることが分かったから、別れることにしたという結末に持っていくという終わりです。

この方法であれば、当初の計画通りに二人は別れることになります。
ただし、千鶴と和也の今後が一切考えられなくなってしまうので、よほどの事がない限りは、ない分岐かなと思います。

２．正直に話す（別れない）

割と有力な分岐が、当初の予定とは違うけれど、和也は千鶴がレンタル彼女として働いていることを知っていた。

千鶴はあまり裕福ではないので、アルバイトをしなければならないという現状があります。
そこで千鶴は、時給の高いレンタル彼女として働くことにした。
時給の高さを重要視したのは、女優になるという夢の為。
大学に加え、女優になるためのレッスンなどもあるため、あまり時間を割いてはいられない。
それらの真実を正直に話すというのが、順手かなと思います。

和也は千鶴からそのことを知っているし、これは真実です。
じゃあ、どうして出会ったんだよというようなことを突っ込まれたときに困るかもしれませんが、出会いなんて色々ありますからね。

分岐２の先を考えよう！

分岐１と分岐２について考えました。
そのどちらにも分岐しない可能性もありますが、私は分岐2は有力ではないかと考えています。

瑠夏が庇う

瑠夏にとって千鶴は恋のライバルになるわけですが、彼女の性格を考えると、千鶴のことを庇う可能性は十分に考えられます。

例えば、自分もレンタル彼女をしていたことを言って、千鶴がレンカノとして働く理由や、出会いなどを少しだけ嘘を混ぜて話すなんてことも考えられます。

実はこんなパターンも

千鶴がレンカノとして働いていることを正直に話したとて、どうして麻美が千鶴のレンカノとしてのホームページを見ていたのかというのは、疑問になるはずです。

そうしたときに、千鶴と和也の出会いも、正直に話す可能性があるのでは？と私は考えています。

元はと言えば、和也が麻美にフラれなければ、和也と千鶴がレンタル彼女として出会うことはなかった。

和也と千鶴が出会うきっかけが麻美にあるということを考えると、麻美も自爆気味というか、和也と付き合っていたという過去を掘り返される可能性があるのでは？と思います。

また和也が和に千鶴を彼女として紹介したというのがスタートではあるものの、和也の祖母と千鶴の祖母が偶然にして友人関係になってしまったことから、千鶴側も同様の嘘をつくことになったという真実があります。

嘘も方便というか、嘘が縁を強固に結び、そして今の関係につながっているわけです。

和也はプライベートで千鶴の為にクラウドファンディングで映画を作ったし、いざというときに千鶴に頼ったこともあるし、助けられたこともある。

千鶴も、クラウドファンディングで主演の映画を作ったことで、祖母に自分が主演の作品を見せることができたし、そのほかにも海で助けられたりなど色々とあった。

その関係が、レンタル彼女を元レンタル彼女として発展させるきっかけになったらなぁというのが、私の夢物語。

少なくとも、麻美にはそれ相応の何かがあってしかるべきだとは思っています。

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