【感想・考察】『彼女、お借りします』満足度219：楽園と彼女31

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【感想・考察】『彼女、お借りします』満足度218：楽園と彼女30

2022年1月5日（水）発売の週刊少年マガジン2022年6号に収録された『彼女、お借りします』満足度218：楽園と彼女30の感想や考察みたいなものを語っています。みなさんもお手元に漫画をご用意していただくと、より楽しめるかと思います。

kuonayano.com

2022.01.05

満足度219：楽園と彼女31

まずは満足度219：楽園と彼女31の物語に触れつつ、感想を語ります。

おい、あそこ

瑠夏がお花を摘みにいっている間にプールサイドに上がり、ある方向を見る木部、栗林、和也の男子三人衆。
そこには仲良く戯れるカップルがいた。

木部と栗林は、カップルが昨晩はお楽しみだったのではないかと下世話な妄想話をしているが、和也はそうではない。

思い切り目を赤くして、和也の意識は完全に飛び掛けていた。
木部がどうして目を腫らしているのかを疑問に思うが、和也は弱体化していた。

「あーーーーー！！あーーーーー！！聞きたくなーい！！
カップルのイチャイチャとか見たくなーい！！」

和也がそんな風に騒いでいると、木部がある方向を指した。

そこには髪をセットして、水着に着替えたちづるがいた。

『来た！水原…って事はまだ「彼女のフリ」してくれるって事…』

和也がそんなことを考えているとは知らず、さらには和也とちづるの間に起きたことなど本当に知らない木部は、和也が告白連敗記録11連敗という記録を持っていることをいじりながら、ちづるが和也の彼女であること現実味がないと口にする。

ちづるの半径２メートル以内にいる男たちは、ちづるの美貌と魅力的な身体に、思い切り振り返る。

木部はそんな人が彼女である和也が羨ましいというが、和也の脳裏には『ごめん！』と言って、自分の元から慌てて走り去るちづるの姿が浮かぶ。

さらには妄想ではあったが、ちづるが他の誰かのものになった後の想像まで思い浮かべてしまい、和也はどんどん暗くなっていく。

だが和也は『水原は気遣って「彼女のフリ」続けてくれようとしてるんだ。俺も気丈に…！！』と頑張って立ち直ろうとするのだった。

木部、綺麗に和也の地雷を踏み抜いていきましたね。
まあ、そんなことを言いたくなる気持ちはよく分かるけれど。

！

木部の呼びかけで、和也たちの存在にちづるが気がついた。
ちづるは木部の言葉に合わせて「あっ、どうも」「ちょっと施設を見て回りたくて」と普段通りとはいかないものの、違和感のない程度に会話をした。

ちづるの言葉を聞いた木部は、和也に無理に和也だけ先に来る必要もなかったと言ったが、和也は『また余計な気を…！まぁそりゃ恋人ならそーだろーけど』となんとも言えない気持ちになる。

そんな複雑な気持ちの和也に変わって、ちづるが答える。

「あっ、私がお願いしたんです。皆さんに悪いし、和也さんだけでも先にって。10時の約束だったから」
『……！流石の対応力…！こんな時でも』

動揺してしまった自分に対し、しっかりと対応した千鶴に、和也は感心した。

木部は、自分も温泉に夢中になって遅れてしまったことや、これからご飯にしようかと話していたことを話す。

瑠夏とはフードコートで集合する約束になっていたので、４人はそのまま歩いていく。
木部と栗林は仲良く歩いていくが、和也はちづると2人並んで歩くことに、異常な緊張感を覚えるのだった。

どんどん追い詰められていく和也。
和也にとっての真の敵は、実は麻美ではなく木部だったみたいな部分もありそう。
特に精神衛生的には敵そのものですね。

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あの　さっきの事なんだけどさ！

和也は、ちづると並んで歩くことに不安と緊張感でいっぱいだった。

（和也にとって）ちづるは自分を振ったわけで、和也は気まずさしか感じなかった。
和也には、ちづるの表情は暗いように見える。
だが、迷惑をかけてばかりのこんな状況でも言わなければいけない事はある。
だから和也は勇気を出した。

「あの、さっきの事なんだけどさ！」

そう切り出した和也の顔を見るちづる。

「教会でのこと！わっ忘れて！？まじ無かった事にっていうか」
「……」
「いや本当今日までありがとな！？”面倒な客”に付き合ってくれて。まじなんか不思議と改めてお礼言わなきゃって思って！」

和也は無理に明るく言う。

「東京帰ったらさ、ばーちゃんに別れたって話そうと思うんだ！
やっぱそれが一番水原に迷惑かからねーだろうしっ、穏便かなって。
いや、そりゃ水原みたいなコ逃したって言ったらばーちゃん山姥みてーに怒るだろうけどさ
それは”まあまあ”って感じで！自業自得だし」

和也はちづるに、説明するように話していく。
だが次の言葉を言う時だけは穏やかな顔だった。

「約束だし。水原にはこれ以上火の粉が飛ばねーよーにって……絶対…！」

その後は、だんだんと事務的な話に戻っていく。

「明細だけポスト入れといて！？料金の。その分は空デート入れるから！慣れてるし！あはは」

だが和也はどこか、から元気っぽい。

「だからさっ、本当ごめん。東京着くまであと半日だけ、ばーちゃんに夢見させてやってくれ」
「…………」

優しげな顔で言う和也を、純粋な顔でみるちづる。
そして、少し下を向いて俯き気味に「うん、分かった」と返事をするのだった。

その後、和也は思い出したように「そうだ、麻美ちゃんの件大丈夫だったの！？なんか言い辛そうにしてたし…気になって」と別の話を始める。

その言葉を聞いたちづるは「…………」と間を置いて、口を結んだ。

和也が教会でのことを話し始めた時、ちづるがなんだか悲しそうな顔をしたように見えたのは、私の気のせいなのかな・・・

分かった

「お願いします…！麻美さん……！」

部屋の中で、必死に頭を下げるちづる。
そんなちづるを麻美は「…………」とその姿を見る。

「分かった」
「え？」
「そこまでお願いされたら、もう無理ってかんじ」

麻美の返事に、思わず顔を上げるちづる。

「思うところはあるけど、２人の事はもう忘れる事にする。
和さんにはちづるさんから誤魔化して置いて？
口裏合わせなきゃいけないから、なんて言ったかだけLINEして？」
「……！」

ちづるは少しだけ警戒心を強めて、麻美の顔を見る。

「ちょっとやだなー、そんな目で見ないで？
言ったでしょ？
私はちづるさんを救いたかっただけだって
でももう、なんかいいやって…」
「…………」

唖然とした表情をするちづる。

「じゃ、プール行くんでしょ？私どうしよっかなー。
ちづるさんの水着、しっかりトレンド入れて流石って感じだったねー」
「…………」

ちづるは、麻美の態度に何も言えなくなる。
そんな麻美は、部屋を出ようとする直前に振り返り、笑顔でちづるに言った。

「あっ、そうだ」
「！」
「このこと、和くんには黙ってて？
変に逆恨みされても面倒だし「交換条件」ってことで。
じゃ」

そう言って部屋を出る麻美の後ろ姿を、ちづるは少しだけ険しい顔で見るのだった。

『もう無理』『なんかいいや』という言葉がすごく気になります。

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うん…平気…

和也の質問に「…………」と黙り込むちづる。
ちづるのそんな態度に、和也は疑問に思う。
少しして、ちづるは口を開いた。

「うん…平気…」
「？…そ、そっか…」

少し疑問に思う部分はあったものの、和也は納得する事にした。
その後、木部に急かされて「じゃ行こうぜ。水原、ロコモコ好き？」と聞いてから、少しだけ急ぐ和也。
そんな和也の背中を、ちづるは「…………」と困ったような、複雑な表情をしながら見ていた。

そして和也は、この後、想像していなかったことを迎える事になる。

フラれたらどんな気持ちになるんだろう

そんな準備はずっとしていたはずだった

勿論死ぬほど辛かったけど、でも意外とその後の事はハッキリ覚えていて

瑠夏ちゃんと合流して、５人で昼飯を食べたことやそのポテトやロコモコの味、スライダーの水の音やプールの匂い

この後「別れた」って話す時の伏線をどっかで張っていた方がいいのかなとか考えたり、途中ばーちゃんたちが現れ、水原と何か話していて、その内容まではわからなかったけど、とにかくあと半日

水原にこれ以上迷惑がかからないように必死で

今思えばきっと、何かしてないと正気でいられないくらいヘコんでて、その時の俺は想像もしてなかったんだ

水原と出会って一年半

大学2年の秋
11月24日
15時37分

その時から僅か二時間後

東京駅を待たずして

俺の嘘だらけの「レンカノライフ」は終わりを告げることを

すごく先が気になる！

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満足度219：楽園と彼女31の考察

物語に触れ、感想を紹介した次は、満足度219：楽園と彼女31の考察をしていきます。

レンカノライフの終わりとは

レンカノライフが終わる。
その意味は2つ、いや3つ考えられます。

1. 麻美が和に嘘を話す
2. 和也の告白が成功する
3. 麻美が和に嘘をバラしたが、結果的に和也の告白も成功した

1の場合は、単純に麻美が和に和也たちの嘘を話し、その事によって、レンカノライフが崩壊するという結末です。

現状、麻美の動きが再び見えなくなった以上、もっとも可能性が高いと考えられます。

2の場合は、麻美は何をしているんだ？という物語的な疑問が残りますが、一応は、解決しています・・・かね？

現状ではもっとも可能性がないパターンだと思います。

3の場合というのがある意味で物語の理想郷ではありますが、麻美が和に和也たちの嘘を話すタイミングと、和也の告白が成功する（ちづるの逆告白あり）が複合する未来が見えにくい部分ではあります。

ただ、理想郷を語っているだけだとしても、このルートを辿ってほしいと思えるほどには、可能性があると考えています。

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