『彼女、お借りします』満足度216:楽園と彼女29
それではさっそく、2021年12月8日(水)発売の週刊少年マガジン2・3号に掲載された『彼女、お借りします』満足度216『楽園と彼女29』の感想や考察を語りたいと思います。
お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。
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満足度216:楽園と彼女29
まずは満足度216:楽園と彼女29の物語に触れつつ、感想を語ります。
行こっ、、ちづるさん
「今からレンタルさせて、ちづるさんのこと」
「…………」
麻美が差し出した封筒を見ながらちづるは思案する。
「しまって下さい。ついて行きますから…」
「…………そっか、分かった」
麻美は特に何か言うこともなく、納得した。
『もうできる事はない!?鍵を忘れたと言っても時間稼ぎにしか…!!』
ちづるは必死に考える。
だが、事態は着々と進んでいく。
「あ、もしもし、返信遅れてすみません。今どちらに?今ちづるさんと一緒にいて、直接お話すべきかと。8502(お部屋)ですね、分かりました。一緒に向かいます」
麻美は電話を終えると、ちづるに向かって手を差し出した。
「行こっ、ちづるさん!」
「……っ!!」
笑顔の麻美に対して、ちづるの表情は追いつめられていた。
やべぇな……
本当の事 言えたの?
麻美に手を引かれて、ちづるは廊下を歩いていく。
その途中で、麻美が口を開いた。
「もうひとつだけ、ずっと心配してたんだけど……」
麻美はちらりと横目でちづるを見る。
「亡くなったおばあさんには、本当の事言えたの?」
「…………」
麻美の言葉に、ちづるは目を丸くして驚く。
そして祖母と最後に話した時のことを考えてから、返事をした。
「…いえ」
「……そっか…」
「!」
麻美はふと足を止めてちづるの前に立つと、いきなりちづるを抱きしめた。
「大変だったね…辛かったね…。もう心配いらない。私が一緒に説明してあげるから。ちづるさんは悪くない。悪いのは和くんだって」
ちづるは、苦虫を嚙み潰したような顔をする。
「行こっ」
「……っ」
ちづるは厳しい顔をしながら、再び麻美に手を引かれて廊下を進んでいった。
もはや狂気さえ感じるんですよね。ダブルスタンダードが過ぎて。
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で!?何ですか、話って!
プールに浸かったまま黙り込む瑠夏と栗林。
『え!?何この沈黙。何この時間!!』
瑠夏は栗林が話があると言ったから留まったのに、栗林が1分以上も沈黙している事に戸惑っていた。
レンカノでもこんなに気まずいことはなかったし、栗林とはレンカノばれの件もあって、気まずさで耐えられなかった。
そしてついに急かすように口を開いた。
「で!?何ですか、話って!」
栗林は何かを言おうとするが、顔を赤くするばかりで何も言わない。
「あーもうじれったいなーっ!!言いたいことがあるなら男らしくガツンと言ったらどうですか!?」
瑠夏の迫力に、栗林はついつい誤ってしまう。
「「苦情」なら今いくらでも聞きますから。どーせ”あの日”のことでしょ!?そりゃ怒って当然ですよね!それだけの事をされたんですから!」
瑠夏の言葉を聞いた栗林が思い切り反応する。
瑠夏のあの日の事とは、和也に栗林の目の前で自分がレンカノだとばらしたときのことだ。
「だからって「プロ失格」とでも言いたいんですか!?はいはい仰る通り!!どうぞご自由に罵詈雑言浴びせたらどうですか!?」
半ば逆切れのように言い切る瑠夏。
そんな瑠夏の言葉を聞いて、ようやく栗林が口を開いた。
「ちっ違うんだ!!」
「え?」
「会えて嬉しかった…」
「…………は?」
栗林の言葉に、素で驚く瑠夏。
「サイトから名前も消えてたから…ちょっと心配で…俺もう怒ってねーから元はといえば本当の彼女も作れねーくせに、見え張ろうとした俺が悪いんだし。そのことだけはちゃんと伝えねーとって…!」
栗林は自分の言いたいことをいうと、プールサイドのほうを向く。
「それだけ!じゃ俺も戻るわ!!」
プールから出て、まっすぐ出て行った栗林の背中を見ながら、残された瑠夏は独り言を言った。
「もうっ、何なのよ」
栗林君、本気で恋してると思うんだけどなぁ・・・
撤回してください!
「へー、これが…」
ちづるが預かっていた指輪を観察する麻美。
「なんかデザイン古くない?いかにも昭和の結婚指輪ってかんじ。嵌めてみた?」
「…………」
ニコニコしながら言う麻美を、ちづるは真剣な目をして見つめながら答える。
「…いいえ、一度も…」
「まぁ流石にビビるよねー、これじゃ似合う服ないし」
麻美は相変わらずニコニコしながら言うが、ちづるは笑顔を見せることはない。
「本当の事話したらおばあさん、どんな顔するかな?でもこれは流石におばあさんも悪いなー。交際一年にも満たない彼女に”結婚指輪”だなんて」
麻美は椅子に座り、指輪の入ったケースをコロッと適当に机の上に置く。
「そういや私も言われたっけなー。付き合ってる時「おばあさんに会ってほしい」って。たしかまだデート3回目」
続けて麻美は呆れたような、バカにするような表情と口調で言う。
「和さんも悪い人じゃないけど、木ノ下家、ちょっと家族ぐるみでどうかしてるんだよ」
そしてそのまま言葉を続けていく。
「だって気付いてないわけじゃないでしょ?和くんの目。あなたのこと、ワンチャンいけるんじゃないか…みたいな?だからいつまでもこんな事続けてるんだよ。規約違反も承知で…。ヤバいよね」
そしてそこからさらに話は続いていく。
「私から見たって不釣り合いだって分かるよ。ちづるさん綺麗だし「女優さん」相手に何 夢見てんだって。でもいるよね。一度信じたら思い込み激しいっていうか…。きっとああいう人達って苦労知らずなんだろうな。望めば何でも叶うと思ってて…」
真面目な顔をして語る麻美をみつめるちづる。
そんな麻美は天井を見上げて言った。
「”理想主義”と言えば聞こえはいいけど、ただの”バカ”じゃない?」
麻美の言葉を聞いたちづるは、口元にちからが入る。
「いけないっ、おばあさん待たせてるんだった。行こっ」
ちづるは目的の部屋に向かうためにちづるたちの部屋を出ようとするが、ちづるは動かなかった。
「…ちづるさん…?」
麻美は冷たい目でちづるを見る。
「今の発言は撤回してください!」
「……は?」
凄くまじめな顔で自分の意見を言ったちづる。
そんなちづるを、麻美は冷たい目のまま見続けるのだった。
理想を叶えられなかったからこそ、麻美は動いているのかなぁ・・・
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満足度216:楽園と彼女29の考察
物語に触れ、感想を紹介した次は、満足度216:楽園と彼女29の考察をしていきます。
ガラスの幸福
分かる人には分かる『ガラスの幸福』というキーワード。
今までの暗くて幸せとは言えなかった現実が、ある日を境に幸せに変わっていく。
しかし、その幸せは長くは続かない。
幸福はガラスのように簡単に崩れ去り、一瞬にして霧散してしまう。
そんな経験をしたからこそ、麻美は和也とちづるの関係を壊すのに執着しているような気がします。
それこそ自分と同じように、その幸せも『ガラスのように簡単に崩れ去る』ものだと思うことにして…。
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感想・考察記事
まとめ
今回は2021年12月8日(水)日発売の週刊少年マガジン2・3号に掲載された『彼女、お借りします』の満足度216『楽園と彼女29』の感想や考察を語りました。
みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか?
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。
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