『彼女、お借りします』満足度210:楽園と彼女23
それではさっそく、2021年10月27日(水)発売の週刊少年マガジン48号に掲載された『彼女、お借りします』満足度210『楽園と彼女23』の感想や考察を語りたいと思います。
お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。
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満足度210:楽園と彼女23
まずは満足度210:楽園と彼女23の物語に触れつつ、感想を語ります。
怒りの爆速タップ音!
『レンカノ焦んの楽しいずっと見てられる』
『てか基地カプ相手に黙ってんのまぢ私えらい』
『感謝しろよちづこ』
久しぶりに鍵ついた裏垢が動き出した。
ツイートをしているのは麻美。
自分の泊まっている静かな部屋のベッドに寝転んだ麻美は、真顔でタタタタタタタタと爆速のタップ音を響かせていた。
すげえな。全部は紹介しませんでしたが、結構な毒の吐き具合でした。
どこに行くんだよ!
和也を連れてどこかへ向かう和。
和也はどこに行くのか、改まって何を話すのかを和に聞くが、彼女は話すことはない。
そのまま外に出た二人だったが、和也は耐えられなかった。
「ってかさっむ!もうすぐ12月だっつーの忘れてたわ!身体が常夏仕様に」
「何を!この程度の北風で!次期木下家跡取りがたじろぐでない」
「は!?跡取りだから寒さに強いとかねーだろ」
いつも通りの会話をする二人。
和は地方に行った時は軽く散策をしているらしく、その一貫らしい。
和曰く『その土地にも多くの人が住み、それぞれにドラマがあると思うと身が引き締まる想いじゃ』ということらしい。
和也はなんか良い系の話をするのかと考えていると、和は「和也…お主、今いくつじゃ」と聞いてきた。
和也は戸惑いながら「え、21…だけど…」と答える。
和也の年齢を聞いた和は意味深に「そうか…」と言う。
和也は意味が分からない風に戸惑いつつ、改まって真面目に呼び出されることがレアなだけに焦りつつも、自分も大きな問題を抱えているために、どんな感じの話なのかをドキドキする。
『状況は変わってるかもしれない…!』
『水原、めっちゃ深刻だったな…。「状況は変わってる」?どういう意味だ?水原も麻美ちゃんと話したみたいだったし…一体何の話を?』
和也はまず自分が抱えている問題について考える。
ちづるの話ぶりだと、麻美が嘘をバラす可能性があるという風に取れる。
しかし、自分には決してそんな感じではなかった。
かといってちづるが嘘をつく理由はないので、麻美が嘘をバラす可能性があるのならば、あの深刻さにも納得のいく部分があった。
でもどうしてちづるはハッキリと言わなかったのか。
和也はちづるが何を言いあぐねているのかを考える。
そんなことを考えていると、近くをカップルが通る。
その姿を見て、和也は思った。
『「彼氏」なら…言えるんだろうか…「本当の彼氏」なら…心配事があればすぐ相談して、なんの駆け引きもなく共有して、楽しい事も苦しいことも2人で分け合って…』
そう考えていると、和がついに本題を話し始めた。
和也は「本当の彼氏」だったらと考えているけれど、例え今はそんな理由ではなくても、和也のことを思って話してないこともあるということを考えると、なんとも言えない部分がありますね。
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いつもより優しいっつーか…
和は和也に話し始める。
「お主は知らんだろうが、ここハワイアンズは和男と晴美さんがしきを挙げた場所でな。当然、産まれる前じゃ」
和也は何度か聞いていると合いの手を入れる。
「当時は和男もまだ27。真面目で要領が悪く、お主のように頼りなく感じさせる部分もあったが…今では立派に「和酒店」の大黒柱じゃ」
和也は自分の父親の意外な昔話を聞いてそんなことがと思う。
だが同時に結婚の圧力をかけているのかと思わず身構えてしまう。
そうすると、和が意外な言葉を出した。
「今回は悪かったな、和也。無理を押し千鶴姫まで誘って」
和也は驚きつつも「いや!いいって事よ。千鶴も楽しそうだし!」と少し調子に乗ったことをいい、和は静かに聞いた。
だが和也も和の様子がおかしいことに気がつく。
いつもより優しく、穏やかで、とにかく言葉にはできないが、何かが違ったのだ。
「千鶴姫には毎度驚かされる…品が良く…気が利き、礼節を人懐っこさを併せ持ち…品行方正、眉目秀麗でありながら奢ることもない…」
和也は心の中で『プロだからね!!なんて死んでも言えねーな。まぁ水原は出来過ぎだけど』と焦った。
和也の心を知ってか知らずか、和は話を続ける。
「初めは疑っておった。お前に千鶴姫のような出来た女性を引き留めておくことなど出来るのかと」
和也は驚きつつも、和の話を聞き続ける。
「あれだけの女性じゃ。それこそ数多の男が声を掛け、数え切れない誘いを断り、それで和也…お前と一緒にいることを選んでくれている」
和也はちづるがレンカノであることや女優を目指していることを考えて、まぁそうだろうなと考える。
和の「決して顔も良くない健康だけが取り柄のお前が」という言葉には、それは言い過ぎではないかと考えたが。
だが和は和也をディスるだけではなかった。
「姫を引き留めておくなど、並大抵の努力ではないと想像に難くない。それとも…とも思う。努力などでは無いのかも知れん…儂がお主を見縊っていただけ…いや…きっとそうなのだろう。千鶴さんはきっと祖母にも分からん、お主の”稟性”に気付いておったのじゃ」
和の言葉に和也は驚き照れる。
「にも関わらず、いつもお前を叱ってばかりで…千鶴姫の一葉知秋の才を差し引いても、生まれて今まで孫を見続けて来た祖母失格じゃ…」
良いことばかりで悪いことも……ということは全くなく、どんどん続く和の言葉に和也は本当に戸惑いと驚きを隠せなくなる。
だが和がこんな話をしたのは、ただの気まぐれではなかった。
「小百合さんのことで死について考えたりもした。人はいつ死ぬかも分からん。それでも今こうして千鶴姫と旅行に来れ、一緒に風呂に入ったりもした。生涯忘れ難い思い出じゃ。このあとはバタバタするかも知れんし、この旅行でお主にこのことだけはどうしても伝えたかった」
徐々に照れていく和也に和は頭を下げた。
「21年分の感謝を申し上げる。今日という日を拵えてくれて本当にありがとう」
和也は目を潤ませて、思い切り照れた。
そして一通り話をすると、和は「儂はもう少し歩く。プールに向かえ。姫と落ち合って」と言って和也を一人にした。
残された和也は、あまりの出来事に混乱し始める。
『うそだろ!?どんな状況だよ、お礼!?あのばーちゃんが俺に!?違う…!!水原は「彼女」じゃなくて…!!お礼言われる事なんて何も…ッ!!俺…!!俺…!!』
目から涙をこぼし始めた和也は、一人悶絶するのだった。
和はもしかしたら、今後に何かが起きるまたは起こすと考えているかも知れませんね。誰がとは言いませんが。
明らか遅すぎる
ちづるや和也がそれぞれに考えを巡らせている頃。
プールで1人遊ぶ瑠夏は、楽しみつつも考えていた。
『明らか遅すぎる…』
浮き輪を使って泳ぐことを楽しみつつ、瑠夏は不思議に考えていた。
『何やってるの皆?男性&大人枠は曖昧だったとしても、あのレンカノカップルは来るって言ってたのに…!』
泳ぐことをやめずに、瑠夏は考え続ける。
『ちょっと待ってよ。別行動なんて考えづらいし、もしこのまま来なかったら!?もしあの2人が…もう誤解を解いていたら…!!!』
もしかしたらの可能性を考えてしまった瑠夏は、すぐに電話をかけるためにプールから上がる。
そしてプールサイドである人物の姿を見て、驚いた。
「え?…っは!?」
そこにいたのはなんと栗林だった。
いきなり現れた栗林を見て、瑠夏は驚く。
『なんでこの人がここに!?一人!?なんで一人なの!?なんかこっち見てるし…でも私に用事なんてあるわけ…』
そして瑠夏は、栗林をスルーしようとした。
「ごっごめんなさい、私丁度出るところなので。木部さん?なら居ませんよ」
それは2人でいることが気まずいということもあるし、今はプールどころではないからだった。
だが栗林はそうではなかった。
「知ってる……」
「え?」
自分の横を通り過ぎた瑠夏に栗林は答え、瑠夏は思わず立ち止まって振り返る。
栗林も同様に振り返り、叫んだ。
「君に会いに来たんだ!!」
「ええっ!!?」
思いもしない栗林の言葉に、瑠夏も思い切り驚くのだった。
いつもは何してやがる!!というような行動をとりがちな栗林ですが、今回の瑠夏の足止めだけはナイス!!……まぁ瑠夏にとってはそうではないでしょうがね。
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…………
和也と別れて1人になった和。
和の頭にはある言葉が浮かんでいた。
『千鶴さんは悪くない!むしろ”被害者”なんだって!』
それは麻美とちづるがトイレで話していた時の麻美の言葉だった。
そして和は、周囲の人が驚くくらいのスピードでスマホをタップして、麻美に『ちょっと話があります』とメッセージを送った。
もしかしたら和は、2人の秘密に気がついていたからこその行動を起こしていると考えたり?
どうすれば……
悩みに悩み抜いたちづるは、教会の前の階段に座っていた。
「…………」
すっかり気持ちが沈んでしまったちづるの頭の中には、麻美の言葉がある。
「…………一体、どうすれば…」
本当に追い詰められた様子のちづるは、ついに下を向いてしまった。
和也のために悩んでるというのがポイントです
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満足度210:楽園と彼女23の考察
物語に触れ、感想を紹介した次は、満足度210:楽園と彼女23の考察をしていきます。
負け戦?
今回の旅行の中でなかなか実現しなかった瑠夏と栗林の2人きりという場面がついに出て来ました。
この2人といえば、かつてのレンカノとお客でもあります。
その点では和也とちづるの関係と同じといえますが、2人の違いは、現役のレンカノであるかどうか、親密性にあります。
和也とちづるは偶然ではありますが、同じ大学で同じアパートに住んで、隣同士の部屋に住んでいるという関係性でもあります。
和也と瑠夏は出会いこそ栗林とのレンカノダブルデートであったものの、栗林は瑠夏と疎遠になり、和也は瑠夏と同じカラオケ店でアルバイトをしたり、ちづるの言葉がきっかけであったとはいえ、カップル(仮)になったりと、親密性でいえばすごく高いです。
そんなわけで和也とは全くの関係性や親密性が違う栗林ですが、今回はついに彼が動き出したわけです。
まだ彼が動き出した理由が確定でないので私の推測になりますが『和也との関係性』を聞きにきたのではないでしょうか?
告白するにはいきなりすぎるという点もありますが、和也とちづるの本当の関係性を知っている栗林の唯一とも言える素で和也の秘密を握る人物である栗林が、瑠夏が和也に異様に親しくしている姿を見て、告白するとは思えません。
そもそもの栗林の性格的にも想像しにくい感じです。
ただこれだけは断言できます。
彼の恋は成就しません!!
え?酷い?
でもみんなもそう思わない?
ちづるは和也のために?
ちづるが悩んでいるのは、和也に麻美と話したことの全てを話しても良いのか、それで和也が傷つかないかを迷っているからです。
そして悩む原因になっているのが、和也がまだ麻美を好きではないかとちづるが思っているという部分があるからです。
その点を解決するためには、和也がいち早くちづるに告白するというのが一番だと思います。
……それを考えると、今ちづるがいる教会の前で告白なんて夢がありますよね。
木ノ下家に新たな語り話が生まれそうです。
それがありえないというわけでもなく、和がちづると合流するように促していたり、栗林の足止めもあったりして、2人きりという状況は作りやすくなっています。
仮にちづるがスマホを部屋に忘れていて連絡が取れなくても、今の和也なら必死にあちこちを探し回ってちづるを見つけてくれそうな気がします。
そして告白なんて展開も十分にありえます。
- 和也がちづるを見つける
- 何に悩んでるのか
- 麻美と何かあったのか
- 自分の思い
- 麻美も瑠夏も好きではない
- ちづるが麻美のことを話す
- 告白
どんな順番であれ、こんな感じのことが物語で展開されると私は信じています。
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感想・考察記事
まとめ
今回は2021年10月27(水)日発売の週刊少年マガジン48号に掲載された『彼女、お借りします』の満足度210『楽園と彼女23』の感想や考察を語りました。
みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか?
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。
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