『彼女、お借りします』満足度209:楽園と彼女22
それではさっそく、2021年10月20日(水)発売の週刊少年マガジン47号に掲載された『彼女、お借りします』満足度209『楽園と彼女22』の感想や考察を語りたいと思います。
お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。
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満足度209:楽園と彼女22
まずは満足度209:楽園と彼女22の物語に触れつつ、感想を語ります。
今は”2人きり”にしても問題ないはず…
プールに行くことを提案した瑠夏は、自分の泊まるはずだった部屋に戻っていた。
「あー!お腹いっぱーい!こんなにちゃんと食べたの久しぶりかも!」
床に寝転がった瑠夏は、自分のおばあちゃんが朝ごはんは大事と言っていたことを思い出しつつ、独り言を言っていた。
そして伸びをした後に、瑠夏はちづるが『2人にそういう事があったかなんて、私にどう関係があるのよ!』と言っていたことを思い出し、今和也とちづるを2人きりにしていることに対して自分を納得させた。
『今は”2人きり”にしても問題ないはず…』
瑠夏から見ると、2人が誤解を解いた様子はないし、わだかまりがあるような状態で和也が告白をするとは思えない。
だがしかし。
現状は「阻止」に成功しているだけで、「本妻」に近づいているかと言われれば袖はない気がするのは確かだった。
『本当の彼女になれるって言ったら、貴方はどうする?』
弱気になった瑠夏の脳裏に、麻美の言葉が過ぎる。
だが瑠夏は、そんな言葉をすぐに振り払った。
「ダメダメ。弱気は敵だぞ、更科!10時にプール集合!」
気合を入れ直した瑠夏は、服の下に水着を着るために着替え始めるのだった。
なんだかんだで、一番旅行を楽しんでいるのは瑠夏な気がしますね。
そんな瑠夏は可愛いと思えますが、ちづるとの恋愛競争に勝てるかどうかは別問題だね。
状況は変わってるかもしれない…!!
朝食後、ちづると和也は部屋で2人きりになっていた。
和也はとりあえず場を取り繕うために、筋肉痛などの心配をしたり、ちづるは鍛えてるから大丈夫かなど話題をふる。
しかし、ちづるは静かに俯くように座っており、上の空のような状態になっていた。
『えっ?ええっ!?何!?なんだ水原!?明らかに様子がおかしい!?いつもならテキパキ準備するのに…!!うわの空で座り込んで落ち込んでる!?』
和也はちづるのことを見て戸惑う。
そして、トイレから帰ってきてからずっと様子が変だったことを思い出した。
家族に対する対応はしてくれていたけれど、トイレで何かあったのかが心配になってきた。
そして千載一遇の2人きりの状況が告白のこの字も出るような状況ではないことに落ち込む。
だが和也は一度した決心を覆す気はもうない。
『でもっ 行く!!「力になる」のだって目標なんだ!!』
そしてちづるに話しかけることにした。
「あのさ水原ッ」
「麻美さん」
「えっ」
「あなた、麻美さんのこと、どう思う?」
「麻美ちゃん……?」
「旅行も突然の参加だったし、その話して無かったでしょ?」
「あっ ああ…」
言葉の出だしが被り、そしていきなり麻美の名前が出てきたことに和也は戸惑った。
しかし、彼女が旅行に関わるようになったきっかけのことになり、ちづるの言葉に納得した。
『和くんには幸せになってほしい。「不幸」になる事なんてしないって』
和也は昨日に麻美と話した時に言われた言葉を思い出しながら、少しだけ迷って話すことにした。
「実は昨日ちょっと話したんだ…」
「えっ!?そうなの」
「前に水原から聞いた時も麻美ちゃん知ってて黙ってるって話だったしさ…今回も飛び入りだったし…なんか思うところあるのかなって…」
和也は、事実と自分が思ったことをちづるに話していく。
そして自分なりの結論を伝える。
「やっぱり責められるのは水原じゃなくて俺だろうし…」
「……それで?なんて?麻美さんは」
ちづるは優しい目で和也を見つつも、麻美の様子を伝え聞く。
「なんかすげー…優しかったよ…俺が不幸になる事なんてしないって…。正直自己嫌悪でさ…「爆弾娘」扱いして…」
和也のなんだか気まずそうな言い方や表情を見て、ちづるは麻美の「私そんなに我慢強くないから。今日中に結論欲しいかも」という言葉を思い出して警戒心するような表情に戻った。
和也はちづるがいきなり麻美について聞いてきたことを疑問に思って「でもどうしてそんな話を?麻美ちゃんと何か話したのか?」と聞く。
ちづるは一瞬間を置いた後、和也に言った。
「状況は変わっているかもしれない…!!」
その言葉を聞いた和也は驚く。
「えっ!?ちょっ、ちょっと待ってくれよ!麻美ちゃん何か言ってたのか!?でも…!昨日まではそんな様子全然…!!」
「……」
ちづるは和也に何かを言おうとして口を開きかける。
だが麻美が以前に言っていた『助けてあげる。和くんから』という言葉が脳裏をよぎって、口をキュッと閉じた。
「…………っ」
自分の言いたい言葉を上手に言えないもどかしさを抱えたちづるを見た和也は、戸惑うのだった。
二面性があるって怖い事ですよね。
いや、人間は裏の顔があってこそ表の顔があると思うし、それこそが人間だとは思うんだけど……
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和也を少し借りても良いかな?
和也が戸惑っていると、そこで部屋のチャイムが鳴った。
和也とちづるはいきなりのことに驚き、どちらが対応するかお互いの顔を見合う。
そして和也メインで対応をすることにした。
「おお千鶴さん、プールの準備は終わったか?」
「ばっ、ばーちゃん!」
「屋外は冷えるじゃろうから纏えるバスタオルなどあった方が良いかもしれん」
部屋を訪ねてきたのは和で、和也を無視して、ずっと和也の斜め後ろにいるちづるに話していた。
そんな和に対して、和也はまた邪魔をして・今はそれどころじゃないのにと考える。
そんな中で和が出した言葉は、和也にとって意外なものだった。
「時に千鶴さん、和也を少し借りても良いかな?」
「えっ、俺?」
和也は和が用あったのが自分だったことに驚いた。
そして千鶴は少しだけ焦りつつ、返事をする。
「もっ、勿論です」
「ひゃひゃっ。すまんのー、数分でプールに向かわせる。後から」
「あっ、実は私もちょっと施設内を見てまわりたくて」
『水原 一人で…!』
「ほぉ、どこに?」
「教会もあるって聞きましたし、折角なので色々見て回るのも良いかとっ」
ちづるのことを聞いた和は、プールは自由参加だし、お互いにちょど良かったから色々と見て回るといいと納得した。
その横で、和也はちづるの心配をする。
「へっ、平気か!?一人で!」
「何言ってるの、和也さん。ただの散歩じゃない。それじゃあお婆さん」
「おおっ、またなー千鶴姫ー」
和也の心配をよそに、ちづるはいつもの営業スマイルで挨拶をして、1人で施設見学に行った。
その後ろ姿を見ながら和は和也に「過保護じゃぞ、嫌われる」と言う。
和也は引き気味に「ばーちゃんに言われたくねーけど…!」と言い返す。
和也は和と2人きりになったものの、頭の中はちづるのことで一杯だった。
それはさっき部屋の中で話していた時の顔は只者ではなかったし、プールにも行かないで1人で考え事をするのが心配だったからだ。
それに麻美と何を話したのかを聞けなかったことも心配点だった。
和也は、頭も心もちづるに支配されているのだった。
和おばーちゃんは、今回ばかりはナイスだったかと。
和也はともかく、ちづるにはもう少しだけ考える時間が必要だったかと思いますから。
「彼」が決めること
一人になったちづるは、和也が麻美について「なんかすげー…優しかったよ…俺が不幸になる事なんてしないって…。正直自己嫌悪でさ…「爆弾娘」扱いして…」と言っていたことを思い出す。
しかし、麻美は自分に『助けてあげる。和くんから』と言った。
だから自分の中で一つの結論は出ていた。
『あぁ言っていた以上、あの人に嘘をついている可能性は高い…
今の麻美さんは相当危険、それは確か
麻美さんがバラす前に自分達から嘘を告白する
この判断も十分にありえる』
今の状況を考えれば、当たり前のように出てくる予想の一つだった。
だがそれは「マシ」な選択肢であるだけで、きっと和の傷も浅くて済む…と思う。
誠心誠意謝ればそこまでの遺恨は残さずに済むのかもしれない。
けれど、その判断を下すのは…
『でも私じゃない…「彼」が決める事…』
考えるちづるの手は、強く握られている。
『あの日(ミスド)の事を伝えれば”判断”も変わるかもしれない。
協力して麻美さんを止める事だってできるかもしれない。
でもそれは少なからず貴方を傷つける事になる』
ちづるはこの状況をどうにかする方法について考える。
けれどそれは和也の事も傷つけてしまうことに繋がる。
だから簡単に提案はできなかった。
そんなちづるの脳裏には、和也との出会いが、ミスドでの麻美の言葉が、自分が和也に言った言葉が次々に浮かんでくる。
『俺がどんだけ麻美ちゃんの事好きだったとか、お前知ってんのかよ!』
『助けてあげる、和くんから』
『大切なのは”恋心”でしょ?』
そしてちづるは立ち止まり、まるで自分に問いかけるように考える。
『ねぇ 知りたい…?』
ちづるは一人、天井を見上げる。
『ねぇ貴方はまだ…麻美さんの事 好きなの…?』
ちづるの表情は、まるで恋をする少女のようだった。
表に出やすいかどうかの違いで、結局はちづるの和也を意識してしまっていることに変わりはなくて。
きっとちづるは、一人になれば心のモヤモヤがどうにか晴れるのではと考えたのでしょう。
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何かが…おかしい
水面に浮かぶスイカ柄のパレーボール。
一人でプールに入る瑠夏は考える。
「何かが…おかしい…」
瑠夏は、どうして一人なのか。
もしかして和也とちづるが二人きりでいるのかなど、今の状況について考えるのだった。
今週のオチ担当は瑠夏ちゃんでした。
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満足度209:楽園と彼女22の考察
物語に触れ、感想を紹介した次は、満足度209:楽園と彼女22の考察をしていきます。
2面性が分かったからこそ
ちづるは、和也から聞いた麻美との話と、自分が実際に経験したことを組み合わせた結果、少なくとも和也には嘘をついている可能性が高いという結論に至りました。
その結果、今なら自分たちで彼女に対抗することのできる策や傷を浅く済ませる策、そして麻美を止める策など様々な策が浮かんできました。
昔のちづるなら、麻美を止める・彼女に対抗するようなことは考える事なく、傷を浅く済ませる策を和也に提案していたでしょう。
その次の段階に進んでいた状態であれば、和也を傷つける結果になっても、ミスドでの出来事を和也に話していたでしょう。
でもちづるは全部話す事なく、今は自分の心の中に仕舞い込んでいます。
そんな状況の中で、ちづるが重要な事を考えています。
『ねぇ貴方はまだ…麻美さんの事 好きなの…?』
もしかしたら和也が麻美の事をまだ好きなのかもしれない。
そのことを考えれば、和也を傷つけるのは得策ではない。
それは事実なのですが、本当にこの考えは和也を傷つけないために出たのでしょうか?
もう完全に恋をする少女の思考のように感じます。
皆さんはどう思いますか?
レンカノ生活の終了?
和也とちづるが麻美に対抗するための策として、ある意味で最終手段にあるのが、嘘を本当にすることです。
瑠夏は和也と恋愛をするためにレンタル彼女を辞めて、和也と同じカラオケ店でアルバイトをすることにしました。
彼女の場合はそれで生活もできています。
しかし千鶴の場合は、瑠夏と同様の事をするのは少し難しいのではと思っています。
もともとレンタル彼女を始めたのは、大学生活を続けつつ、女優という夢を叶えるために、効率よくお金を稼ぐことが目的でもありました。
もっとも演技の勉強になる部分があるからでもあるんですが。
千鶴が和也と付き合うとなると、レンカノの仕事については考え直す必要が出てきますし、女優としても考えなければならない部分があります。
千鶴がレンカノの仕事を続けるかつ今の状況を打開する(ゴールイン)にはどうすれば良いのか。
- 麻美には、和也とは客とレンカノの関係であることを納得させる
- レンカノ事務所に、和也と付き合っていることを秘密にする
- 瑠夏に和也のことを諦めさせる
端的には上記の3点がポイントが重要になりますが、ハードル高すぎてなんとも。
少なくとも、和也とちづるの気持ちがお互いに向いていることを確認することが、当面の目標になりますね。
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まとめ
今回は2021年10月20(水)日発売の週刊少年マガジン47号に掲載された『彼女、お借りします』の満足度209『楽園と彼女22』の感想や考察を語りました。
みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか?
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。
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