『彼女、お借りします』満足度206:楽園と彼女19
それではさっそく、2021年9月29日(水)発売の週刊少年マガジン44号に掲載された『彼女、お借りします』満足度206『楽園と彼女19』の感想や考察を語りたいと思います。
お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。
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満足度206:楽園と彼女19
まずは満足度206:楽園と彼女19の物語に触れつつ、感想を語ります。
「話」ってなんだろう…?
和也の母である晴美に連れられて歩くちづる。
晴美はちづるにいきなりの誘いだったことを謝るが、ちづるは「いえっ、丁度寝付けなかったので」と答える。
ちづるの言葉に、いつもそうなのかと心配する晴美だったが、ちづるが今日が「楽し過ぎたのかもしれない」と口にすると、何よりだと安心するのだった。
そんな晴美を、ちづるは、あまり積極的に話す人でもないし何度か話したことはあるが、こうして2人きりで話すのは初めてかもしれないと、少しだけ緊張しながら見る。
どこに行くのかと聞くちづるに意味深に笑って誤魔化した晴美は、ちづるに兄弟がいるかと聞いた。
ちづるがいないと答えると、晴美は瑠夏が妹がわりだと言い、ちづるは慌てて肯定した。
そして晴美は意味深に言った。
「和也にも”兄弟”がいれば少しは違ったのかもね…」
その言葉がすごく気になったちづるだったが、晴美はこっちの話だから気にしないでと誤魔化すのだった。
兄弟がいたとすれば…と考えるとどうなるか…
そういうifストーリーを考えるのも楽しそうですね。
でもそうだよね、気になるよね…
晴美の目的地に向かって歩いていく途中で、ふと晴美が口にした。
それはちづるが指輪をしていないということだった。
ちづるは申し訳なさそうに、持ってきてはいると答えた。
そんなちづるの様子を見た晴美は、慌てて付けづらい気持ちも分かるし、プールだったしとフォローをした。
『でもそうだよね、気になるよね…』
晴美のフォローがあったものの、ちづるは指輪を気にしてしまっていた。
そしてそんなちづるに晴美は言った。
「あの後、お義母さんから病院で千鶴さんに渡したって聞いてね、千鶴さんを困らせていないか少し心配で」
晴美の言葉を聞いて、ちづるは晴美が指輪について言及した真意に気がついた。
晴美は和が豪快すぎるところがあるからと色々と話を続けていく。
やがて、ちづるが自分の思いを口にした。
「迷惑だなんて…っ。私にはまだ”嵌める資格”が無いだけで…」
下を向いていうちづるを優しく見守る晴美は、ちづるに自分の時の和の豪快エピソードを話した。
当時からとてもパワフルで、和男と出会ったばかりのときに普段の姿が見たいと職場に現れたり、3回に1回はデートに同伴したり、2回目にあったときには結婚の意思の確認など、色々あったという。
そんな豪快エピソードを聞いたちづるは、自分はまだ易しい方だと思うのだった。
だが晴美は言うのだった。
「でも私はあんな風に強くは生きられないから、今ではとても憧れて…尊敬してるわ…」
そんな言葉を聞いたちづるは、何を行って良いか分からなかった。
そうしている間に、2人は目的地に着いた。
・・・私だったらどんなに好きでも別れるという選択肢が頭によぎりまくりそうだなぁ。
でもそれに負けないくらいに、良いところがあったんだろうな。
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これってドレス……!
晴美の目指していた目的地についたちづるは、驚きを口にした。
「これってドレス……!」
驚くちづるに、今いるハワイアンズは自分たちが結婚した場所でもあると説明する。
この先に教会と広い会場があり、そこで式を上げて披露宴をしたこと、披露宴は質素でいいと自分たちは言っていたが、和が遠い親戚まで呼ぶと言って聞かなかったこと、まるでお姫様みたいだったと話をしていく。
『千鶴姫ーっ!!!』
晴美の話を聞いたちづるは、今の和の自分への態度を思い浮かべた。
晴美はそういう意味でもハワイアンズはお母さんにとってもきっと「特別な場所」で、だからこうしてちづるをと続けていった。
『ここにいる千鶴さんの家族はここにいる』
話を聞いたちづるの頭には、和の言葉と優しい笑顔が浮かび、少し考え込んでしまった。
そんなちづるにプレッシャーをかけてしまったのではと晴美は焦るが、ちづるも慌てて平気だと言ったのだった。
やがて晴美は「和也は私が32の時に産んだ子でね」と話をしていくのだった。
ちづるがだんだんと結婚とか、和也との未来を想像するためのきっかけが増えていっていますね。
ごめんね、少し重い話かしら
晴美は自分が24歳で結婚してなかなか子供ができなかったこと、治療してようやく生まれたのが8年後だと続けていく。
時々、ちづるに少し重い話かと心配する声をかけながら晴美は話を続ける。
不遇の時もきっと和は不安だっただろうと思うこと、でも根気強く忙しい和男の代わりに毎回一緒に治療に付き添って励ましてくれたと、和のことについて話していく。
「それで生まれたのが「和也」」
話を聞いたちづるの顔は、感動したかのように赤くなる。
「出来が良いかは分からないけれど、それでもあの子は私の可愛い我が子。どんなに大きくなっても可愛い可愛い1人息子…」
ちづるの目には涙が溜まっていく。
「あの時のお義母さんの笑顔は忘れないわ。もう本当にこの世の幸せの全てを両腕に抱えたような顔で…」
だからこそ、ちづるの気持ちも和の気持ちも分かると晴美は言う。
ちづるは和也にはもったいないくらいの女性、だけれども不安にならないはずがない。
そう思っているからこそ、晴美はちづるの手を握って言い切った。
「プレッシャーから逃げ出せたくなったら、いつでも相談してほしい。私の「宝物」の「宝物」は私にとっても「宝物」よ」
晴美の両手に握られた自分の手を見て、ちづるは思った。
『あの指輪…直前まで嵌めてたのはこの人なんだ…』
25年間肌身離さずつけていた指輪を人に渡すのはどんな気持ちなのか、きっと寂しくて心にぽっかり穴が空いたような…、私にできるのだろうか、その指輪を渡した相手にこんなにも優しくと様々なことが思い浮かんでいく。
だがちづるには根本的な問題が残っている。
『ごめんなさい、私はレンタル彼女なんです…。和也さんの「本当の恋人」ではなくて…私はあの指輪を嵌める事も返す事すらできない…』
ちづるが自分の抱えている嘘について考えている様子を、晴美はプレッシャーをかけてしまったのではと慌ててしまった。
そんな晴美に、ちづるは言った。
「約束します…何かあれば必ず…」
それを聞いた晴美は、ちづるに感謝した。
そして和也や和男が心配するかもと、晴美は部屋に戻ろうという。
そんな晴美をちづるは呼び止めた。
「もう少しだけお時間いいですか…?」
そして今度はちづるが晴美をある場所に連れていった。
この旅行の開始時点とは違い、ちづるは指輪を返そうと強くは思っていない?
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え!?これを私に?
ちづるが晴美を連れていったのは、この時間でも空いているお土産コーナーだった。
そこでちづるは晴美に「お風呂上がりに通った時に可愛いなと思って…深い意味はないんですねど…」と選んだものを手に取った。
「何か1つくらいお土産が有っても良いかと…記念に」
それは800円の指輪だった。
晴美は本当にいいのかしら?というが、ちづるは800円なんでと押し切った。
そうして購入した指輪を受け取った晴美は、自分の指に買ったばかりの指輪をつけた。
「見てみて千鶴さん、なんだかお姫様みたい」
笑顔でそういう晴美に、ちづるは思わず照れてしまう。
その後、大切にする、800円ですから、800円押しすぎよと会話を繰り返しながら、2人は部屋に帰っていくのだった。
そんな2人の様子を伺っている者がいた。
ちづるなりに指輪を持っておく覚悟ができたということでいいのかしら?
は?……指輪…?
晴美とちづるの様子を伺っていたのは、麻美だった。
『は?……指輪…?』
麻美は2人の会話は完璧には聞こえなかったが、その様子を見て純粋に疑問に思った。
『何かと思って付いてきたらまじ!?今の口ぶりじゃ結婚指輪!?確かに晴美さん指輪してなかった。気はないとか言いながらそんなものを…!!』
そして麻美の脳裏には、かつてのちづるの言葉が次々と出てくる。
『いえ、そんなことは』
『はい』
『和也さんは私の彼氏です』
そして麻美はある結論に辿り着いた。
「”嘘つき”…それは無し寄りでしょ」
こんなことがあったとはつゆ知らず、和也は布団の中でちづるがいつ帰ってくるのか、探しにいった方がいいのかとドキドキしながら考えているのだった。
麻美の心に火をつけた感じかぁ・・・
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満足度206:楽園と彼女19の考察
物語に触れ、感想を紹介した次は、満足度206:楽園と彼女19の考察をしていきます。
結婚を意識するということ
今回の旅行の1日目がようやく終了しました。
そんな中で、ちづるは和也の家族が思っていることを知るとても重要で濃い1日を過ごしました。
ちづるの思いも旅行の中でだんだんと変わっているようで、最初は指輪を和也を通して返すという結論に達していたちづるでしたが、今回の終わりのように、最終的には指輪を返さない可能性を考えるようになりました。
その結果と言って良いか分かりませんが、ちづるは800円とはいえ、晴美に指輪をプレゼントしました。
今までは和也の祖母である和や自分の祖母のために嘘を付いており、そしてそれに続く延長線として和也の恋人を演じていました。
しかし、今回は指輪が晴美の元に戻らないという可能性の中で、指輪をプレゼントしました。
しかし『指輪を嵌めることができない=レンタル彼女だから』という方程式は簡単に理解できますが、『指輪を返せない=レンタル彼女だから』という方程式は成り立ちません。
もっとも『指輪を返せない=和也が持っていてほしいと願うから』という方程式は成り立つのですが、今回は少し違う気がします。
『指輪を返せない=本当の彼女になる or レンカノのままでいる を決めていない』
これが正しい状況なのでは?と考えています。
まぁ依然として、自分のせいで起きてしまった和也の(仮)彼女が瑠夏という実情を解決しないことには、始まらない問題でもあることに変わりはありませんが・・・。
”指輪”は知っているが”指輪”は知らない
麻美は今回の観察で、ちづるが晴美に”プレゼントした指輪”のことは知っています。
しかし和がちづるに渡した”婚約指輪”のことは知らないはずです。
最終的な結論である”婚約指輪みたいなもの”という部分には変わりはありませんが、そこにたどり着く過程が間違っています。
晴美が指輪をしていないのは、晴美がつけていた婚約指輪がちづるの元にあるから。
指輪をプレゼントしたのは、婚約指輪だとは断定する要素は少ない。
しかし、大本を正せば晴美が指輪をしていない理由はちづるが指輪を持っているからである。
そのことを麻美は知らない。
過程が違っても、結論が変わらないのが、今後の厄介な部分になるような気がします。
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感想・考察記事
まとめ
今回は2021年9月29(水)日発売の週刊少年マガジン44号に掲載された『彼女、お借りします』の満足度206『楽園と彼女19』の感想や考察を語りました。
みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか?
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。
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