『彼女、お借りします』満足度203:楽園と彼女16
それではさっそく、2021年9月8日発売の週刊少年マガジン41号に掲載された『彼女、お借りします』満足度203『楽園と彼女16』の感想や考察を語りたいと思います。
お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。
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満足度203:楽園と彼女16
まずは満足度203:楽園と彼女16の物語に触れつつ、感想を語ります。
女神を観察?
フラダンスショーを見終わった一同は温泉に入ることにした。
和の1日を締めは露天風呂「与一」に限るという言葉のもと、ちづるたちは露天風呂に使っていた。
瑠夏は露天風呂がプールみたいな広さだということにはしゃぎ、ちづるは江戸情緒が満点で素敵だと口にした。
そして落ち着くと、瑠夏がちづるの身体が良い身体だと言い出した。
ちづるは急に何を言い出すのかと聞き返すと、瑠夏曰く『出るとこが出ていて、引っ込むところが引っ込んでいる男の人が好きそうな感じ』らしい。
瑠夏が自分はあまり肉付きが良くないと口にすると、和が瑠夏は若いからもう少しすれば自ずと大人の身体になるとフォローした。
瑠夏はそういうものなのかと驚き、ちづるは自分も最近成長したかもと乗っかった。
和がそのまま過去のモテ話を始めて、二人が聞き流した後に、事は起こった。
瑠夏がちづるのことをさわりだし、ちづるがくすぐったいと瑠夏を止めようとする。
やがてちづるの反撃が始まり、瑠夏がくすぐられるようになった。
ちづると瑠夏の仲睦まじい様子を見て学生時代を思い出すと口にするが、和はそれだけを考えているわけではなかった。
和は旅行中にちづるが浮かべていた、少しだけ浮かない顔を思い浮かべながら、ちづるをじっくりと観察しているのだった。
プールみたいに広いお風呂、しかも露天風呂だと、お湯の温度が低い印象があるんですが、実際のところはどうなんでしょうね?
お湯が出るところに近いほど熱い感じなのかしら?
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男子は男子だし、重みも違う
対する男子勢。
木部と栗林は瑠夏と同様に、プールのように広い温泉に驚いていた。
二人は足を伸ばして風呂に入るのは久しぶりだと言ったり、江戸時代はこんな感じだったのだろうかと口々に感想を口にしていく。
やがてサウナがあることを発見すると、二人はサウナに入っていった。
こうして和也は自分の父である和男と二人きりになった。
和也は父親と二人きりになったものの、特に話す事はないなと考えていた。
その代わりに、ちづるも自分と同じくらいの風呂に入っていると妄想をした。
少々の罪悪感を感じたものの、妄想はタダだしと思っていると、和男が口を開いた。
「千鶴さん…」
和也は和男が話し出したことと、ちづるの名前が出てきたことで二重に驚いた。
和也が恐る恐る内容を聞くと「金は…返したのか…?」とのこと。
思い当たる節のない和也は、なんのことだと必死に頭の中にある記憶を探る。
そして思い出したのは、ちづるへレンカノの料金を渡していることを和男に見られたときのことだった。
これを思い出した和也は、もうとっくにと答えた。
もっとも、金を借りたのではなく払っただけなので、和男の勘違いではあるのだが。
和也から金銭の貸し借りが解決していることを聞いた和男は「そうか、大切にしろよ」と口にした。
和也は相変わらず言葉が少ないと思いながらも、それでもずっと自分たちのことを心配してくれていたことに変わりはないと思う。
そしてあることについて聞くことにした。
「”夫婦の秘密”とか…無いの?それこそばーちゃんに言ってないこととか…」
和男はその質問に答える事はなく、逆に和也に「お前はあるのか…?晴美への秘密…」と聞き返した。
和也は大なり小なり言っても得しないこともあるしと、母親に秘密があることを告白した。
すると和男は「同じ事だ」と言い切った。
「人を守る嘘もある。問題は人への嘘ではなく「相手の幸せを願う」その自分の気持ちに嘘が無いかだ。少なくとも俺はそうして30年間働いてきた」
和男はそれだけ答えると、サウナに入りに行った。
和也は重みが違うと余計に考えてしまうことになった。
自分が抱えている『ちづるは本当の彼女ではなくレンタル彼女』という秘密が本当に和のためになっているのかもわからない。
けれども、和也の中には決まっている答えが一つだけあった。
『でも水原を幸せにしたい。この想いだけは…っ!!』
和也はちづるの幸せを願うのだった。
優しい嘘という言葉があります。この優しい嘘が本当に優しい嘘なのかは、嘘をつかれている当人にしか分からない部分もあります。それでも、相手の幸せを願うという行為が大切なのだと思います。
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千鶴さんの家族はここにいる
温泉に入っている瑠夏は、プロジェクトマッピングに興味を示して、ちづるや和から離れた位置に移動した。
このタイミングで、和がちづるに話しかけた。
「どうじゃ…?少しは気が…軽くなったか…?」
いきなりの質問に、ちづるはキョトンとする。
そんなちづるに「小百合さんのことは残念じゃった…。儂もやはりこの世は残酷であると前古未曾有に痛み入った」と暗い顔で、少しだけ悔しそうな顔で言った。
その言葉に、ちづるの目が潤む。
「和也は何か、力になれたんじゃろうか…。頼りない孫ではあるが、少しは支えになったのかと…」
和の言葉を聞いたちづるは、頬を赤らめつつ、和也の胸の中で思い切り泣いたことについて考えた。
そして口をキュッと固く結んでから、やはり頬を赤らめながら答えた。
「十分力になって頂きました…」
ちづるの言葉を聞いた和は「…そうか…であれば何か一端は担えたのかもしれんな…」と口にした。
その言葉に驚くちづる。
それに対して、和は言葉を続ける。
人は一人で強くなれないこと、みんなで支え合って暖め合い、それでも時には凍えそうになるくらいに人の世は厳しい。
小百合の代わりはいないけれど、少なくともちづるの幸せを心から願う人は知っている。
それは時に和也であり、和であり、晴美であり、和男でもある。
「その肩を僅かでも秋風が通り抜けたら頼ってほしい。家族が居なくなったなどと思ってくれるな。ここに居る。千鶴さんの家族はここに居る」
和は笑顔で言い切った。
和の言葉を聞いたちづるの目は、どんどん潤んでいく。
そして和は強引に旅行に連れて来たことを謝り、このことだけはどうしても伝えたかったと言った。
そして長湯は肌に毒だと言って、お風呂から上がった。
残されたちづるは、静かに水面を眺めながら考え込んでいた。
そしてプロジェクションマッピングに夢中になっていたはずの瑠夏は、先程の話を知ってか知らずか。
離れた位置に留まったまま、ちづるを見つつ何かを考えるのだった。
和也にとって、和の言葉は後押しになったのではと思います。
そしてちづるの心を本当の意味で、溶かしきったように思いました。
確かに和也は、日常的に生活するには平気なレベルでちづるを元気にすることに成功していましたが、最後の鍵が開けられていなかった。
その最後の鍵を緩めることができたのではと思います。
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瑠夏のお話
ちづるたちがお風呂から上がると、すでに男子組はお風呂から上がっていた。
お風呂から上がった一同は、合流するとそれぞれの話をしていく。
木部と和は風呂であったまったり、お腹いっぱいでなければそばを食べたかったと口にしたり、軽く売店を見てから部屋に戻ろうと話をした。
和也はちづるにあったまったかと話をし、ちづるは笑顔でうんと答える。
その光景は、かなり自然なものだった。
みんながわいわいとする中で、一人たたずむ瑠夏。
『その時が来たら貴方はどうする?』
瑠夏の中にあったのは、麻美の毒に近い言葉だった。
そして瑠夏はついに動き出した。
「ちょっとおばあさん、お話が…」
和に話しかける瑠夏の顔は、真剣な目をしつつも、緊張したものになっていた。
瑠夏は何を話そうとしているのでしょうか?
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満足度203:楽園と彼女16の考察
物語に触れ、感想を紹介した次は、満足度203:楽園と彼女16の考察をしていきます。
千鶴の”家族”
ちづるは小百合をなくしたことで、家族が居なくなったというのが現実ですが、ちづるはその現実を受け止めてなんとか日常生活を普通に送れるようになりました。
これは和也の必死な想いや行動があったからなのですが、それはあくまで詰まった気持ちを流しただけで、心の奥にある最後の鍵は閉まったままだったというように、今回の話を読んで感じました。
和の言葉によって、最後の鍵は開き、その扉を開くのは誰かという状況にあります。
ちづるにとっての鍵は”家族”でした。
和は自分たちはちづるにとって家族のような表現をしていましたが、それを受け入れるということは、つまり言葉の通りに家族になるということです。
……いや、そりゃそうだろと思うのは少しだけ気が早く、問題点は和也とちづるの関係にあります。
和也はちづるのことが好き。
ちづると和也の関係はレンタル彼女とその客
和也の家族は、和也とちづるが本当の彼氏彼女だと思っている。
これらの点からすると、ちづるにとって『和也に告白される』という行為は、家族という観点から大きな問題になります。
和也の告白を受け入れるとなれば、それこそ戸籍的な意味で家族になることになるでしょう。
逆に和也の告白を断るとなると、和が自分たちを家族だと思ってくれと言っても、気持ち的にはもやもやの残る関係になること間違いなしです。
和の言葉は和也の背中を押す言葉にもなっていますが、ある意味でちづるにとってはプレッシャーに近いものにもなる可能性を秘めています。
もっとも、お風呂上がりの二人の自然な感じを見れば、心配はなさそうですが。
瑠夏は何を話す?
瑠夏が麻美の言葉を思い出しつつ、和に話しかけるというアクションを取りました。
瑠夏が動き出したという点だけを見れば、麻美にとって直接手を下すことなく和也とちづるの関係を崩すきっかけになるコマが動いたと見ることもできるでしょう。
瑠夏に悪意があれば確かにそうなのでしょうが、今回はそんなことにはならないでしょう。
例えば和也と自分は彼氏彼女とは言わずに、自分が男子が苦手だから、ちづるに頼んでデートみたいなことをしてもらっていると話して、関係の解消を先延ばしにするあたりが、ある意味で最悪のシナリオ。
ただ、和也と親しすぎるような関係に見える場面があったりしても、この言い訳が免罪符となって、どうにかなったりしないかなぁと考えたくもなります。
そういえば相部屋じゃね?
和と瑠夏はともかく、他の旅行メンバーは部屋に戻る流れになっています。
結果的に解決していないわけですが、和也とちづるは相部屋だということをかなり気にしていました。
今ほど関係が和らいでいない頃にも同じことがありましたが、その時はお互いに目を瞑りあってどうにかやり過ごすことになりました。
しかし、今回はその時よりもお互いの感情が進展しており、またちづるも和也について思うことがあるのではと思います。
万が一で相部屋が嫌という理由が、ちづるが和也を意識しすぎるからみたいなことがあれば、全部解決するような気がするんだけどなぁ。
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まとめ
今回は2021年9月8日発売の週刊少年マガジン41号に掲載された『彼女、お借りします』の満足度203『楽園と彼女16』の感想や考察を語りました。
みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか?
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。
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