『彼女、お借りします』満足度200:楽園と彼女13
それではさっそく、2021年8月18日発売の週刊少年マガジン38号に掲載された『彼女、お借りします』満足度200『楽園と彼女13』の感想や考察を語りたいと思います。
お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。
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満足度200:楽園と彼女13
まずは満足度200:楽園と彼女13の物語に触れつつ、感想を語ります。
何、言ってるんですか?
麻美の「本当の「彼女」になれるって言ったらどうする?」という言葉に「何言ってるんですか…?」と言葉を返す瑠夏。
瑠夏は緊張した面持ちだが、麻美は無表情に近い顔でプールの方を見ている。
麻美は繰り返すように本当の彼女になりたいのか聞いてみたと言うが、瑠夏はそんな麻美を警戒することしかできない。
麻美は瑠夏に話を続ける。
瑠夏が和也の彼女だと言い張るのは勝手だが、明らかにちづると和也の関係の中に入りきれていないように見えると。
図星を刺された形になった瑠夏は、麻美に対して警戒心をさらに強める。
「人は結局、正直だと思うから」
麻美のその言葉も瑠夏にとっては図星を刺される言葉であり、より警戒レベルをあげた。
だが瑠夏もいつまでも麻美を警戒しているだけというわけにはいかない。
「一体何の話ですか!?大きなお世話です!なんで貴方にそんな事!」
それは瑠夏にとって強がりでもあり、現状に対する精一杯の対抗だった。
そんな瑠夏の言葉を聞いた麻美は、一瞬だけ考えると、今目の前で起きている状況について瑠夏に質問した。
それは一見はただの仲良し大学生がプールで遊んでいるように見える光景に対しての質問だった。
「その中の一組は恋人で、彼女は絵に描いたような美人。彼氏のお婆さんはすっかり蝶よ花よで「未来の花嫁」と大喜び。今回の旅行も元を正せば下にも置かない「ご招待」。でも「違う」…でしょ?」
麻美の言葉は、目の前で遊ぶ和也たち4人のことを全く知らない人たちが想像する可能性のある話。
そんな話をする麻美の様子を、瑠夏は再び伺う。
「彼女は「レンタル彼女」で彼氏は「お客」。二人は赤の他人でお金を払って「恋人」を演じてるだけ。友達や家族もすっかり二人に騙されてて…もう一年半になる…」
続いた言葉は、和也とちづるのことを詳しく知っているからこそ出てくる真実だった。
麻美はそのまま自分の思っていることを話し続ける。
- 自分なりに変に思った部分があること
- 和也の強引さが多少なりともあったにしても、ちづるが肩入れしすぎているように見えること
- 「レンタル彼女」には見えないくらいに肩入れしていること
- ちづるは”お客”である和也が好きなのかもしれない
麻美が言うには、そのうち和也がちづるに告白して嘘を真実にしたときに、それで「対ありでした」みたいに言われたら瑠夏はどう思うのかが気になるらしい。
瑠夏が黙っている間、麻美は話し続ける。
そんな風に付き合った二人はうまくいくのか。
レンタル彼女とお客という関係だったことを隠していたことは不変の事実だということ。
亡くなったちづるの祖母にも紹介してたことを聞いたときに、最期の瞬間の二人はどんな顔をしていたのか。
散々聞きたいことや言いたいことを言い終わった麻美は、突然何という気持ちもわかるから、答えづらいなら忘れるようにと言って、プールの中に入る。
瑠夏が二人のことを一番近くで見ているから、その肌感を知りたかっただけだと。
そして最後に振り返ると、麻美は笑顔で瑠夏に言った。
「そうだっ、あの時のことは水に流そう。全然事情もわからなかったし、情状酌量って事で」
あの時。
それは瑠夏と麻美がカラオケ店で鉢合わせた時に、瑠夏が麻美のことを過去の人、和也の周りをうろつくのはやめるように言った時のことだった。
それだけ言い終わると、麻美は瑠夏から離れていこうとした。
麻美の行動は、自分で直接的に手を下すというよりは、状況をより複雑化させて、和也に告白させないような状況を作り出すことに意味を見出していそうな行動のように感じました。
「言う気」ですか?
離れていこうとする麻美に、瑠夏は我慢しきれずに声をかけた。
「「言う気」ですか…?」
「え?」
瑠夏の言葉に立ち止まって振り返る麻美。
「それって…バラすってことですか…!?和お婆さんに…!」
決死の表情で瑠夏は言葉を発するが、それを聞いた麻美の目は冷たいものだった。
だがすぐに困ったような表情を浮かべながら言った。
「どうだろ?まだ何とも。千鶴さんとも何も話してない訳じゃないし様子見?経過観察?」
麻美の返答を、瑠夏は表情を変えずに真剣に聞く。
「でも…その時が来たら貴方はどうする?」
麻美が最後に放った言葉は、瑠夏にとっては効果抜群な言葉だった。
麻美はそのまま和也たちと合流し、プールサイドには瑠夏が一人取り残される。
瑠夏の脳内には、再び和也が土下座をしてちづるが好きだから別れてくれと言った時のことが流れている。
瑠夏は結論が出せずに、ただプールサイドに腰をかけたまま足でパシャっと水音を立てることしかできなかった。
和也に幸せになってもらうということが瑠夏にとっての大前提であり、和也がちづるのことが好きだということを本人から聞かされている瑠夏。
麻美の巧みな話術で心を揺さぶられてはいますが、実のところ、ただ決心しきれていないだけで、瑠夏の中での結論は決まっているのではないかなと思います。
…そうかもね…
プールで散々遊んだ後は、麻美以外は更衣室に向かった。
そして女子更衣室の中で、瑠夏はちづると話す。
ちづるは麻美は温泉に入りに行ったことを伝えつつ、後半元気がなかった瑠夏のことを心配していた。
瑠夏は心配するちづるに、平気だと言った。
瑠夏は着替え終わると、再び麻美に問われたその時について考えるが、とりあえず様子を見守るしか…とやはり結論は出せないでいた。
そんな中、なかなか紐が解けないでいるちづるの様子を見て困惑する。
瑠夏が確認すると、何重にもしっかりと結ばれており、瑠夏はめっちゃ器用だと感心する。
ちづるは慌てながら、紐が緩くて取れちゃいそうだったからきつくしたと説明した。
瑠夏は見せつけてやればよかったのにと冗談を言いつつ、ちづるの水着の紐を解くのを手伝った。
そして何となく口にした。
「まぁさぞかし取れるのが嫌だったんでしょうねー…」
瑠夏のその言葉を聞いたちづるの脳裏には、ギュッとしといたから大丈夫と言って和也が自分を助けてくれた時の光景が浮かぶ。
「…うん…そうかもね…」
ちづるは頬を軽く赤らめながら他人事のように言った。
瑠夏に自分のことなのに他人事っぽいことを問われたちづるは、慌てて取り繕うのだった。
ちづるのハプニングと麻美の揺さぶりによって、和也を挟むちづると瑠夏の二人が和也のことを意識する状況が揃いました。
このまま何かもう一イベントがあるような気がしなくもない!
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満足度200:楽園と彼女13の考察
物語に触れ、感想を紹介した次は、満足度200:楽園と彼女13の考察をしていきます。
麻美の誤算
麻美はちづるがレンタル彼女であることに気がついてからは、そのことを中心に和也を揺さぶりにかかっていました。
そして自分が和也の彼女だと宣言する瑠夏に会い、再開した麻美は、瑠夏の心を揺さぶりました。
麻美はまるで自分は全てを知っているかのような素振りがありますが、実のところ、調査の甘い部分と麻美が知り得ない情報があります。
麻美の調査は甘い?
攻撃対象が和也である以上、和也と親密に見えるちづるのことを中心的に調べ、和也の親族や大学周りの人間に取り入ることは自然なことと言えるでしょう。
また和也とちづるとデートしている場面を目撃し、不審に思ったことから調査をした結果として、麻美はちづるがレンタル彼女をしていることにたどり着きました。
しかし、瑠夏についてはどうでしょうか?
作中では瑠夏についてはほぼノーマークと言っていいほど無視しており、和也と同じバイト先の和也の彼女になりたい痛い女の子ぐらいの関心度でしかありません。
そのことによって、実は瑠夏もレンタル彼女であり、それがきっかけで和也と知り合い、和也を好きになったという経緯があります。
和也が意識しているのはちづるであり、家族や友達関係にはちづるが彼女として認識されているものの、出会いやきっかけはちづると変わりない部分があります。
麻美にとってはちづると和也がレンタル彼女がきっかけでという部分が重要なキーワードの一つになっているように見えましたが、実は瑠夏にも当てはまるということに気がつかなければ、いけないという……。
麻美はレンタル彼女での出会いで瑠夏を揺さぶろうとしましたが、木部という間接的な要素があったものの、瑠夏と和也の出会い方はちづると似た部分があるんですよね。
だからきっかけ部分については、瑠夏も追求しきれない部分があるのでは?と思います。
麻美が知り得ないこと
これは単純明快で、和也が瑠夏にちづるが好きだから別れてくれと言われていることです。
また、和也のこの言葉から分かることとして、対外的な認識としてはちづるが彼女であったとしても、和也個人の認識としては、瑠夏が彼女であることになっていることがわかります。
この部分が麻美にとってのキラーカードになったりして……
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感想・考察記事
まとめ
今回は2021年8月18日発売の週刊少年マガジン38号に掲載された『彼女、お借りします』の満足度200『楽園と彼女13』の感想や考察を語りました。
みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか?
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。
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