【感想・考察】『ぼくたちは勉強ができない』第187(最終)話:[x]なる未来

ぼくたちは勉強ができない
画像出典:週刊少年ジャンプ公式サイトより
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『ぼくたちは勉強ができない』最終話:[x]なる未来

それでは、2020年12月21日(月)発売の週刊少年ジャンプ2021年3・4号に収録された『ぼくたちは勉強ができない』最終話:[x]なる未来の感想や考察を語りたいと思います。

お手元に漫画を準備して読みながら見ていただくと、私はこう思う、これはこうだろうなぁなど、よりこのブログを楽しめるかと思います。

Route ifとはなんだったのか

ぼくたちは勉強ができないはテレビアニメ第1期・第2期が放送済なのですが、第2期に関して、作者の筒井先生がとても気になる発言をされていました。

それはぼくたちは勉強ができないの今後の展開を彷彿とさせる含みを持たせるといったものでした。

もちろんこの段階で筒井先生は明確な答えは出していませんし、うるかENDはまだ先の話。

テレビアニメ第2期では、成幸とうるかが手を繋ぐというシーンが放映されました。
このことからぼくたちは勉強ができないの物語はうるかENDで終わるという考察がなされていましたが、単純にそうはなりませんでした。

ぼくたちは勉強ができないの物語に登場するメインヒロインは全員で5人。
英語が苦手な武元うるか、現代文が苦手な緒方理珠、数学の苦手な古橋文乃の現役生3人に、浪人生の小美波あすみ、そして一ノ瀬学園の世界史教師である桐須真冬の5人です。

この中で特に現役生3人の中から誰が選ばれるのかという雰囲気の漂っていたように思うぼくたちは勉強ができない。

その結末として描かれたその先にある物語、並行世であるRoute ifについて考察していきます。

結末はあったのかなかったのか

ぼくたちは勉強ができないの物語は明確な結末を得ないまま、正確には結末はあったのですが、明確な長編であることを示すサブタイトル『泡沫の人魚姫は約束の[x]に濡つ』という枠の中で成幸とうるかの恋愛が描かれました

そして成幸とうるかの恋物語の結末はハッピーエンドでしたが、なんとここにきてサブタイトルが『[x]=…』と変化してしまうのです。

そして最後に現れた文字はRoute(ルート):1/5 [x]=白銀の漆黒人魚姫編

そしてそれに続くように、Route ifの物語が始まり、物語が巻き戻ってから少し進みを繰り返す、残りのヒロインと成幸の恋物語が描かれました。

Route ifとして明確に始まった理珠との恋物語を描く『機械仕掛けの親指姫編』なのですが、ここで少しうるかENDに対する情勢が大きく変化していきます。

なんとうるか編いつの間にか可能性の世界に数えられていたのです。
手元にある週刊少年ジャンプを振り返ると、2020年25号(確か5月末に発売)では、今までの振り返りのページ(本誌352ページ)にこのような記載がありました。

他ヒロインとの未来を描く「もうひとつの『ぼく勉』
問150で結ばれた成幸とうるかだが、これはあくまでひとつの結末。パラレルストーリーではヒロインごとに並行する未来が描かれる。

この記載を見ると、うるかENDが正史世界であるかのような受け取り方ができるのですが、なんと理珠編の終わりで私的には衝撃的な一文がありました。

Route:2/5
[x]=機械仕掛けの親指姫編

『Route:2/5』という部分を見るに、Route ifにはうるかENDも含まれているという受け取り方しかできないのではという記述が。

おやおや?
だんだんと正史かどうか怪しくなっていくうるかEND。
そして続く週刊少年ジャンプ2020年26号で正史の可能性にトドメが刺されます。

Route:ifの基礎!
パラレルストーリーとは!?
他のヒロインとの未来を描く「もうひとつ」の『ぼく勉』!
これまで成幸はうるか、理珠とそれぞれ結ばれてきたが、これらは並行する世界にて展開してきた、「あり得た」ふたつの未来の姿だ。

はい、ここで明確な結論が出てきました。
うるかENDもひとつの可能性の世界、つまりはRoute ifの世界だと確定しました。

私たちは、少なくとも私はいつの間にかRoute ifの世界に迷い込み、それが正しい世界だと錯覚していたのです。

まぁそもそもうるかENDの部分でRoute(ルート):1/5 [x]=白銀の漆黒人魚姫編と明確に言われるじゃんという話ではあるのですが、まさか恋愛が絡む話で明確な答えが出ないまま可能性の世界を描くのは、異例であると思います。

そもそも正史があってこそ、可能性という言葉があると私は考えているので。

少しずつ現実と時間が解離していくものの

うるか編では学園生時代に成就した恋愛を年月をかけて確定させた。

理珠編では学園生時代に理珠が仕掛けたゲームをうるかと文乃に見られていたことで2人は成幸を諦め、大学に入ってから恋が成就した。

文乃編では、学園生時代に怪我をしてしまったことをきっかけに恋愛を成就させる。

あすみ編では、いきなり時間が進みに進み、教師になった成幸と医者になるあすみが離島で再開し、瀕死になった成幸を助けることで恋が成就するきっかけになった。

真冬編では、世界史教師になった成幸が一ノ瀬学園に赴任し、先輩である真冬に好きと伝え続ける、彼女の心を少しずつとかしていくことで結婚した。

こうして5つの世界が誕生したのだが、それぞれの世界が少しずつ現実という部分と時間という部分において解離していきます。

うるか編

うるかが成幸を意識するようになったのは、成幸がうるかにノートを貸してくれる理由を知ったからなのですが、それは過去の事実として描かれています。

いつの間にか突入していたうるかと成幸が婚約する世界では、親しかった人物が一同に介して祝福していくなど、いつもの日常のその先にあるような世界として描かれました。

ちなみに、この世界線ではうるかの他に成幸に告白するものはなく、真っ直ぐに恋が成就した印象を受けました。

理珠編

理珠編では学園生時代に理珠が成幸に仕掛けたゲームを偶然にもうるかと文乃が目撃していたために、成幸から手を引き、そしてその後の恋愛に繋がりました。

幽霊という要素は、少々現実離れした部分が登場したものの、なんとか現実的な範疇に収まっているような気がします。

文乃編

ついに現実との解離が大きくなるというか、少々の矛盾点があるような気もしましたが、私の記憶違いだと思いたいのです。

文乃編では文化祭終わりに成幸への恋心を自覚したような描写がある一方で、Route ifに入るまでに父親と和解した段階で成幸への恋心があったような・・・。

そして文乃編では今までにない展開が描かれました。
それはうるかが成幸に告白し、明確に振られたという部分です。

真冬の親戚の伝でペンションに学園のみんなでスキーにきた際に、成幸と共に文乃が遭難した時に発覚しました。

あすみ編

あすみ編では、教師になった成幸が離島の小中学校に赴任し、そこには偶然あすみの姉の診療所があり、あすみがそこに勤めていました。

成幸とあすみの他にはあすみの関係者しか登場せず、学園にいたうるか、理珠、文乃、真冬の言葉すら出てこない徹底ぶり。

そして今までになかった要素が、成幸の父とあすみの父の繋がり。
過去にある唯一の繋がりがこれです。

過去のメンバーがほぼ登場しない展開には少しだけ違和感を感じました。

真冬編

最後のRoute ifは真冬編。
ここでは一ノ瀬学園を舞台に、世界史教師になった成幸が真冬の指導を受けている場面から始まります。

成幸は真冬に恋心を持っているものの、真冬はいろいろな理由をつけて受け入れない。
成幸はそんな真冬に対して全力で向き合って、真冬の心を溶かして結婚します。

ここで不思議なのが、一ノ瀬学園での過去の出来事に触れたのには触れたのですが、それは成幸が学生時代の時のことではなく、真冬の学生時代のことである点です。

真冬も一ノ瀬学園出身であることから彼女の過去に触れるのは必然とも言えるのかもしれませんが、成幸も少しぐらいは思い出について触れてもいいのではと思いました。

ここでは、あすみ編以上に成幸の父について深く掘り下げられており、そのおかげで成幸の長年の恋が成就したとも言える展開でした。

なお、ここでも真冬やその関係者以外に本編での登場人物は現れません。

私なりの結論

Route ifとして描かれた5つの世界。

そこには明らかに過去に現実で起こったであろう事実と、各ヒロインの願望が込められているのではないか。
私はそう考えます。

それは、Route ifにおける物語を読んでいる中で、そう思ったからです。

うるかは、成幸の自分に対する思いや信念、そして自分の夢を詰め込んだ現在に続く恋物語を望んだ。

理珠はうるかや文乃の恋に気がついていたから、彼女たちと衝突することなく自分の恋を成就させ、文学に対する苦手意識がみさおという存在となって現れた上で、成幸との恋物語を望んだ。

文乃はうるかや理珠の成幸に対する恋心を知っていた。自分の恋も叶えたい。だからこそ成幸と自然な形でそばに居続けられるための方法を考えた。
しかし文学が得意な少女であったがために、もっとも成幸と結ばれる可能性の高いうるかとの衝突は避けられないと思っていた。
だからこそ、うるかと成幸が結ばれる可能性を考えてしまったが、最後には自分の思いや願いが詰まった物語を思い描いた。

あすみはなんだかんだと成幸と関わる機会が増えていくうちに、日常生活において関わる男子である成幸を意識し、偶然にも成幸と自分の父の繋がりを知ってしまった。そして贖罪にも似た感情を解決するために、成幸との未来を望んだ。

真冬は自分の悩みを解決したいという思いを持っていた。よく関わるようになった男子生徒は偶然にもかつての恩師の息子であった。
自分がこうなりたいという未来を、恩師ならこうしていたという想像を載せた結果、成幸との未来が誕生した。

こんな感じなんじゃないかなと思いました。

考察ではありません

今回は考察というより妄想みたいな内容でしたが、いかがでしたでしょうか?

ぼくたちは勉強ができないの物語が完結してしまうのは少々寂しい気持ちになりましたが、それぞれの望むような未来が、結末が選べるような結末は、意外でもあり、とても面白い試みだと思いました。

そして筒井先生のメッセージも込められたと思われる最終問。
そのメッセージを胸に「できない」を「できる」の途中にして生きていきたいと思いました。

まとめ

今回は、2020年12月21日(月)発売の週刊少年ジャンプ2021年3・4号に収録された『ぼくたちは勉強ができない』最終話:[x]なる未来の感想や考察みたいなもの語りました。

みなさんは今回のお話を読んだ時にどう思いましたか?
ぜひコメント欄などで感想を教えていただけると、嬉しいです。

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